映画『のび太の新恐竜』3度目の劇場鑑賞

 8月23日(日)、『のび太の新恐竜』3回目を観てきました。

 今回はけっこう落ち着いた心持ちで観始めたので、あんまり泣けないかな…と予感していたのですが、結局またずいぶん泣いてしまいました(笑)

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・「まんがBOOK」は前回と同じグリーンでした…。3回目の鑑賞でもうダブってしまった…。

 

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・エレベーターのところにキューとミューの切り絵が貼ってあって可愛かったです♪

 

 さて、今回は、ネットにあがっているさまざまな感想や批評、賛否両論をざっと読んで、『のび太の新恐竜』の何が良くないとされ、どこが不満に思われ、どの点が酷評されてるのか確認したうえで観ました。批判されている箇所がほんとうにこの映画の欠点なのか、悪く言われるほど問題なのか、自分なりに検討しようと思ったのです。

 が、いったん観始めてしまえば、もう落ち着いてはいられません(笑) 批判とかそういうあれこれが一気に吹っ飛ぶほど強く心を動かされ、おおいに泣けて、今回もやっぱりキュー&ミューがひたすら可愛いかったのであります!

 こんなに愛おしい作品をクールに観ることなんて、私にはまだできません。

 

 『のび太の新恐竜』が公開されてまだ1か月もたっていないこともありますし、あまりネタバラシをしたくありません。なので個別具体的な感想はまだ書かないでおきますが、『のび太の新恐竜』3回目の鑑賞中、私が思わずやってしまっていたことがあります。

 場面が大きく転換されるたびに、キューとミューの表情へついつい目が向いてしまうのです。何らかの場面がパッと映し出されると、キューとミューはどこにいるのかな、と不意に目が2人(あえて2人と数えます!)を探してしまうのです。特にキューの表情へ視線がグググと吸い寄せられていきました。

  キューとミューは双子の恐竜でありながら性格は対照的です。

 ですから、2人の表情に違いがあります。

 活発で社交的な性格のミューは、たいてい元気で明朗な表情をしています。それに対して、引っ込み思案なところのあるキューは、すこし臆した表情、ひるんだ表情、ポカンとした表情を浮かべることがあって、そんなキューの内向性がにじむ繊細な表情に私はきゅんと心をつかまれました。

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 このお菓子(ぷくポテ チーズ味)のパッケージに描かれたキューとミューの表情が、両者の違いを端的に示しています。

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・ミューは普通に笑顔ですが、キューはすこし臆した表情を浮かべていますよね。

 そんなキューのナイーブな表情に私のハートはきゅんと射止められたのです♪

 

 もちろんキューだって笑顔を見せることがいっぱいあって、そのとびっきりの可愛らしさはミューとともに極上ですよ。

 

 私がこんなにもキューとミューに魅了されて入れ込んでいるのは、映画を観る前にときわ藍さんの描いたちゃお版『のび太の新恐竜』を読んでいた影響がだいぶ大きいです。

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 このマンガを読んでキューとミューへの愛情が深まったタイミングで映画を観たものですから、「キューとミューが動いてる~!声を発してる~!可愛い~~!」と大きな感動が胸に押し寄せてきたのです。

 

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・『 のび太の新恐竜』を観た直後、映画館を出るところにこの機械が置いてあって、勢いでネームステッカーをつくっちゃいました(笑)

 こういう機械って前からよく見かけていたのですが、使ったのは初めてです。

 

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 ところで、『のび太の新恐竜』1回目の鑑賞のあと脚本担当の川村元気さんのインタビューなどを読んだら、本作のテーマの一つに“多様性”がある…といったことが語られていました。

 多様性ですか!

 私は、『のび太の新恐竜』を観て、この映画が特に多様性を重点的に描いているようには感じませんでしたから、言われてみて「へえ、なるほどなあ」と感心しました。

 多様性というテーマは現在的な問題であり大事なことですから、それが映画ドラえもんのテーマとされるのは良いことだと思います。

 私自身も少なからず多様性の問題には関心があります。それについて学んでいるわけではないので詳しいことは何も言えませんが、多様性を尊重する社会になってほしいと願っています。

 

 そうではあるものの、『のび太の新恐竜』が描いたとされる多様性というテーマは、私のアンテナにあまり引っかかりませんでした。私のアンテナの感度が著しく低いためでしょう。

  だから私は『のび太の新恐竜』における多様性テーマに首をつっこむ立場にないわけですが、しかし仮にこの映画から私が多様性テーマを読み取れたとすれば、人間社会の文化的多様性とか性の多様性とか民族の多様性といったような方向性ではなく、自然科学が扱う生物多様性のほうを主に描いていたのではないか、と感じました。

 ネタバラシになるといけないので、具体的なことは言いませんが、生物の多様性がもたらす意義のようなものを描いていたのではないでしょうか。

 

 首をつっこむ立場にないと言いながら、もう少しだけ首をつっこみますが(笑)、 『のび太の新恐竜』が生物多様性ではなく人間社会における多様性のほうを意識的に描いていると感じられた部分をあえて挙げてみたくなりました。(少し前にオンライン会をした友人が話していたことの受け売りですが・笑)

 本作に“ともチョコ”というひみつ道具が登場します。板チョコを半分に割って片方を生き物にもう片方を自分が食べると互いが仲良しの友達になれて、さらに1時間限定で相手の生き物の特徴を受け継ぐことができる、という道具です。

 このともチョコを見ると、肌の色の違う者同士が握手しているデザインになっているのです。

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  そこのところに、人間社会における多様性へのまなざしが象徴的に込められているのではないかと、友人のお話を聞いてそう思った次第です。

 私はあまりそういうテーマを意識せずに映画を観て、観終えたらともチョコがなんだか気に入って、帰りに劇場の売店でともチョコのチャームストラップを買ってしまったのでした(笑)

 

 とはいえ、そういう硬派なテーマ性よりも何よりも、『のび太の新恐竜』は私にとってまず愛おしい気持ちが自然とわいてくる映画であり、それから感情を強く揺さぶられ、涙をドバっと誘われまくる、そんな圧倒的にエモーショナルな物語なのです。

  感情・情緒面での満足感が非常に高いです。