明日『定年退食』実写ドラマ放送

 明日(4/16)、NHK BSプレミアムの「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」で『定年退食』が実写ドラマ化されます。
 https://www.nhk.jp/p/fujiko-sf/ts/N93R8JJ329/episode/te/Q35XGJ8XPP/


 藤子・F・不二雄先生が『定年退食』が描いたのは1973年のこと。

 当時巷に蔓延していた21世紀に向けた未来予測(人口爆発、食糧増産は望めず、人間の寿命が延びる)に触れた藤子・F・不二雄先生は、
「今までの、お年寄りは大切に……といった考え方そのものを考え直さなければならなくなる時期がくるのではないか」と思ったそうです。
 そんな藤子F先生が、現代に“姥捨て”が復活する恐怖を描こうとしたのが『定年退食』です。

 いま現実に21世紀を迎えた日本では、人口爆発というより少子高齢化社会の到来によって“現代の姥捨て”を思わせる主張や議論や政策が聞こえてくるようになりました。

 そういう世情のなか、このタイミングで『定年退食』がドラマ化されるのは、たぶん偶然ではないのでしょう。

 

 

※当ブログで『定年退食』をテーマにした記事

 ■「国家が国民に定年制を課す近未来」

 https://koikesan.hatenablog.com/entry/20180921

 

 ■映画『ソイレント・グリーン』がテレビ放送

 https://koikesan.hatenablog.com/entry/2019/06/11/181316

 

 

※『定年退食』で国民に向けて重大声明を発表するのは、奈良山首相です。「現代に“姥捨て”が復活する恐怖をかきたかったというのが発想の原点」と藤子・F・不二雄先生は述べていますから、奈良山首相のネーミングはもちろん、姥捨て伝説に材をとった深沢七郎の小説『楢山節考』が由来です。