「反重力は存在しない」とする論文が発表された、とのニュースが。
【タケコプターはもう飛べない？ 「反重力」の存在否定でＳＦにも変化か】2023/9/28 17:32
重力と反対方向に働く「反重力」は存在しないとする国際研究チームの論文が２８日、英科学誌ネイチャーに掲載された。反重力は映画やアニメも含めたさまざまなＳＦ作品にも登場しており、こうした作品のアイデアを覆す衝撃的な発見といえそうだ。
https://www.sankei.com/article/20230928-AIGJ45WTFZDE7EY4I3TTQBQHVQ/
こちらの記事がより詳しいですかね。
【「反重力は存在せず」実験で結論 国際研究チーム】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD271B30X20C23A9000000/
反重力といえば、10年前に豊田市美術館で「反重力展」というアート展が開催されました。その展覧会へ行ったことにかこつけて、藤子・F・不二雄先生のマンガで見られる反重力ネタについて書いたことがあります。
https://koikesan.hatenablog.com/entry/20131111
このたび「反重力は存在しない」と報じられたわけですが、藤子Fマンガは反重力を「地球上においては空想的な概念だが、遠い遠い星には存在する現象・物質・科学技術」として描くことが多かったように思います。
藤子F先生は『宙犬トッピ』の作中で、宇宙からきた不思議な犬・トッピから反重力物質の存在を聞いたコー作少年に「反重力!? きみの星には反重力物質なんかあるの!?／SFにしか出てこない、架空の物質なんだ」と言わせています。藤子F先生ご本人も、反重力についてコー作くんとほぼ同じ見解をお持ちだったのではないでしょうか。
ですから、藤子F先生が今回の報道に触れたとしたら「実験で証明されてしまったのはちょっと寂しいけれど、やっぱり反重力は存在しなかったんだな」と感じられたのではないか、と私は勝手に推測しています。
ところで、今回の報道で注意すべきことがあります。
このたびの論文が述べたのは、「反物質にも物質と同様に重力が働く」という事実が実験によって確認されたということで、これをもって「反重力は存在しない」と言いきってしまうのは誇大な表現ではないか、という意見があるのです。
なるほど、「反物質にも重力が働く」すなわち「反物質には反重力が働かない」という事実が確認されたということならば、「反物質以外に反重力が働くものがあるかもしれない」という余地は残ることになりますね。
しかし、です。こんな意見もあります。
今回の件で「反重力は存在しない」と言いきってしまうのは誇大な（不適切な）報道だと感じる人がいるのはかわるとしても、「現代の理論的枠組みにおいて反重力があるとしたら反物質だけだった」という現代物理学の前提を踏まえれば「反物質以外でも反重力は存在しない」と言ってよいのではないか、と。
https://twitter.com/Science_Release/status/1707199393018077424
私には専門的なことはよくわかりませんが、ひとつのトピックとしてF的に興味を刺激される話題なので、ここでちょっと触れてみました。
