9月9日（土）に放送されたアニメ『ドラえもん』のBパートは「だいこんダンスパーティー」（原作：てんとう虫コミックス21巻などに収録）でした。
この話には、踊るだいこん（二本足の生えただいこん）がたくさん登場します。ドラえもんが出してくれた新種植物製造機を使ってのび太が適当に作り出した遺伝子改造だいこんです。人間のように直立歩行して、歩いたり踊ったりできます。
・アニメ『ドラえもん』「だいこんダンスパーティー」（2023年9月9日放送、テレビ朝日系）の予告映像より引用
このシーンが、「だいこんダンスパーティー」というタイトルの由来となっています。今回のアニメでは、フォークダンス「オクラホマミキサー」を踊っていました。ダンスパーティー（舞踏会）なのにフォークダンスというのが、じつにのび太の部屋でやっている事らしくて、クスッとさせられます。
のび太が作った踊るだいこんはこの画像のとおり複数いたのですが、踊るだいこんたちはもっと仲間を増やしたいと思ったのか自分らで勝手に新種植物製造機を使って数を増やします。野比家の廊下や階段やのび太の部屋がだいこんでぎゅうぎゅう詰めになるまでに、さほど時間はかかりませんでした。
そんな、踊るだいこんの姿を思わせるカプセルトイがこちらです😄
「俺らこんな畑嫌だ～ 産地直送 逃げたて大根スイング」（バンダイ、全5種）のひとつです。
これは『ドラえもん』とは版権関係のない商品ですが、たまたまリユースストアで見かけて、「おっ、だいこんダンスパーティーに出てきただいこんみたいじゃないか！」とちょっと嬉しくなって購入してしまいました。
足だけでなく手まで生えているところが「だいこんダンスパーティー」の踊るだいこんとの決定的な違いですが、今回のアニメの次のシーンのだいこんとポーズが近いなと感じました。
・アニメ『ドラえもん』「だいこんダンスパーティー」（2023年9月9日放送、テレビ朝日系）より引用
だいこんが足を前後に大きく開いて空中を駆けている……。カプセルトイのだいこんもこちらのシーンのだいこんも、そのようなポーズをとっています。
この画像は、その後大増殖する踊るだいこんの一番最初の個体が登場したシーンです。のび太が新種植物製造機で新種のだいこんのタネを作り、それをタイムふろしきで時間を進めて成体にした瞬間なのです。
さて、まだだいこんの話題を続けますが、ここからは「大根」と漢字表記にします。
大根といえば、藤子・F・不二雄先生は大根が特別にお嫌いでした。「これはもう主義というに近い」「不倶戴天の敵という感じ」とまでおっしゃるほど大根が嫌いだったのです。食卓ではたくあんを自分の風上に置かせず、大根おろしも匂いがイヤだったといいます。（でもカブは食べられるし、かいわれ大根はお好きだったそうです）
『のび太の日本誕生』でスネ夫が「ダイコンなんかきらいだ!!」と言うコマがありますが、これは藤子F先生の心の叫びではないでしょうか。ここで スネ夫は藤子F先生の代弁者になっているのです（笑）スネ夫にそう宣言させたくなるほど、藤子F先生は大根が大嫌いだったわけです。
そして、藤子F先生が嫌いなものといえば「風呂」もその代表格のひとつです。
こちらの記事で、藤子F先生のお風呂嫌いをつぶさにうかがい知ることができます😆
・「週刊少年サンデー」1965年13号「わが家新聞」より引用
この記事には、ご夫婦のほほえましいやりとりが記述されています。奥様にここまで言われても、「そんなこといったって、いそがしくて、ねる時間もないんだもん」と風呂に入りたくない理由を強弁する藤子F先生。しかも、その理由というのがちょっと駄々っ子の言い訳にも感じられて、妙にかわいげを感じてしまいます（笑）
この記事で風呂に入らない理由を“忙しくて寝る時間もない”とおっしゃった藤子F先生ですが、『まんが道』の「美人記者」という回では、別の言い訳が披露されています。藤子F先生をモデルとするキャラクター・才野茂が“フロへはいらなくてもよごれない体質ですから”と言って銭湯行きを回避しているのです。
『まんが道』で発せられたこの言い訳はあくまでも才野茂によるものですから、現実の藤子F先生の発言とは違うのかもしれませんが、実際にF先生はⒶ先生にそのようなニュアンスの言い訳をしていたのかもしれない……と想像するだけでなんだか愉快になってきます。
あるところで藤子F先生のそんな風呂嫌いっぷりに言及したら、ある方から、
『愛…しりそめし頃に…』の単行本10巻（新装版だと4巻）の表紙では銭湯に入る才野の姿が見れたりします。
とご指摘をいただきました。
そうでしたね！
これがその表紙です。
このときも才野は本心ではみんなと銭湯へ行きたくなかったと思うのですが、みんなで集合写真を撮るから才野もいなきゃならないとかなんとかうまく誘われて断り切れず、しぶしぶみんなに付き合ったのではないかしら……。才野は口に笑みを浮かべて上機嫌そうに見えるけれど、これは写真に撮られるがゆえの精いっぱいの作り笑顔だったのではないかしら……。などと才野の胸中を想像すると、この表紙画がいっそう趣深くなります。
どうあれ、才野の入浴シーンはレア感があります（笑）
