10月31日(月)、東京虎ノ門のオークラ東京で藤子不二雄Ⓐ先生お別れの会が開かれました。
Ⓐ先生にお別れを言うのはつらいけれど、これまでの感謝の気持ちをしっかりお伝えしたいと思い、参列しました。
午後6時ごろ会場に入場すると、広々とした空間にⒶ先生の作品世界を楽しめる展示が並び、そこで参列者が写真を撮ったり会話をしたりして自由にすごせるようになっていました。
訪れた人々を楽しませよう、もてなそうというサービス精神。藤子不二雄Ⓐスピリットが息づいています。
2018年から六本木や富山などを巡回した「藤子不二雄Ⓐ展 ーⒶの変コレクションー」で展示されていた等身大のリアルⒶ先生人形やⒶ作品の世界観をモチーフにしたフォトスポットが並んでいて、ふたたび「藤子不二雄Ⓐ展」を訪れたような感覚に。
「藤子不二雄Ⓐ展」になかったものとしては、Ⓐ先生が愛用された服やゴルフクラブなどの展示がありました。
この展示空間で、そうした展示品を思い思いに眺めながら、たくさんの藤子ファン仲間や藤子スタジオ関係者、知人たちと挨拶したり会話したりしてⒶ先生を偲んだのでした。
ほんとうに久しぶりにお会いする方も多く、再会の喜びにもひたれました。
その場所にかなり長居してしまいました。寂しさや悲しみを忘れさせてくれる楽しい場所から離れがたかったのです。
でも、いつまでもそこにいるわけにはいきません。
大きな祭壇の置かれた隣の空間へ移ると、それまでの楽しい雰囲気から一転してしめやかな空気に包まれました。
一輪の白いカーネーションを受け取って、祭壇の前へ歩きます。
そして献花……。
このとき、Ⓐ先生の大きなお写真を前にして思わず涙が……。
こらえきれませんでした。
感謝の言葉を頭の中でうまくまとめられないまま、でも精一杯の気持ちをこめて手をあわせました。
会場を出るところで参拝者に配られたポストカード。
祭壇の部屋を出たところに立っておられた松野いづみさんにご挨拶させていただきました。稲垣くん久しぶりね、などと言葉をかけてくださいました。
いづみさん、大役お疲れ様でした。
お別れの会会場を出てから新橋の居酒屋へ移動。
藤子ファン仲間12人で献杯し、みんなで藤子先生について熱く濃く楽しく語り合いました。
いい夜でした。
安孫子先生、安らかに。
●追記
・藤子スタジオOBのヨシダ忠先生、高峰至先生と写真を撮っていただきました。
ヨシダ忠先生は、藤子スタジオ最初期の専属アシスタントのお一人でコロコロコミックで連載された『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』の作者としても知られています。Ⓐ先生のマンガにヨシダ先生をモデルとした登場人物が(主にチョイ役で)よく出てきます。会場ではヨシダ先生からあふれんばかりの藤子先生愛をうかがうことができました。
高峰至(アシスタント時代は本名の青木則幸)先生は、『ノスタル爺』の土蔵や『みどりの守り神』のジャングル化した新宿の風景(初出版)など、細密な背景画を手がけられた方として特に印象に刻まれています。
・会場に、コスプレーヤーの声さんがまんが道ニットを着ていらっしゃったので、お声かけして少しお話させていただきました。このまんが道ニットは、家庭用編み機を駆使して個性的なニットを製作する「編み物☆堀ノ内」という方に声さんがオーダーして作ってもらった一点モノ。
おそるおそる?声をおかけしたら、声さんが私の存在を認識してくださっていて嬉しかったです。次はもっとじっくりお話したいですね。
・会場でお会いしたいろいろな方々からいろいろな品々をいただきました。皆様ありがとうございました。