「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」未発表の5作品を予想

 昨晩(1/14)の午後9時からスタートした藤子ファンZoom新年会。藤子トークで盛り上がって、午前3時40分まで続きました。ほんとうはもっと続きそうな勢いでしたが、どこかで終わらなければならないので区切りをつけたのです。

 

 新年会のメインテーマが、

この春にNHK BSプレミアム・BS4Kで放送予定の「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」全10作品のうち未発表の5作品を予想する

というものでした。

 現時点で公式が発表している5作品は以下のとおりです。

 

●『流血鬼 前後編』

金子大地/堀田真由、加藤清史郎/福山翔大、宮崎吐夢片岡礼子宮川一朗太

 

●『昨日のおれは今日の敵』

塚地武雅高橋努、アベラヒデノブ、宮下かな子本多力

 

●『テレパ椎』

水上恒司/坂口涼太郎北香那岡崎体育富田望生やついいちろう

 

●『定年退食』

加藤茶/井上順/山崎潤、原扶貴子、池田鉄洋/中山翔貴、白鳥紗良、神谷圭介吉田正幸、小出圭祐、上原りさ 、山崎あみ三ツ矢雄二ベンガル

 

●『メフィスト惨歌』

又吉直樹鈴木杏武内駿輔、渡辺哲、大方斐紗子大和田伸也遠藤憲一

(以上順不同。放送順は未定。上記以外にさらに5作品6話を放送予定。)

 

 

 新年会に参加した10名強の藤子ファンがそれぞれの希望的予想を披露していきました。

 いちばん多くの人(5名)が挙げたのが『山寺グラフィティ』、3名ほどが挙げたのが『ノスタル爺』『ある日……』という結果に。『山寺グラフィティ』人気の高さを実感しました。

 ほかに、『ベソとこたつと宇宙船』『老年期の終り』『いけにえ』『超兵器ガ壱號』『間引き』『気楽に殺ろうよ』なども複数の人からタイトルが挙がりました。

 予想するにあたって、ドラマにするのは難しいかもしれないけれど自分がぜひ見たい作品を選ぶ方もいれば、テレビドラマの枠で実現可能性を考慮して作品を選ぶ方もいたりして興味深かったです。

 

 ちなみに、私が予想した5作品は

 『考える足』

 『ある日……』

 『分岐点』

 『福来たる』

 『山寺グラフィティ』

 でした。

 次点で『やすらぎの館』『有名人販売株式会社』も挙げました。

 

 2008年にWOWOWでドラマ化された『値ぶみカメラ』『あいつのタイムマシン』『ボノム〜底ぬけさん〜』『かわい子くん』『征地球論』『ボクラ共和国』、2014年にフジテレビ「世にも奇妙な物語」でドラマ化された『未来ドロボウ』は、今回ドラマ化されることはないだろう…と候補から真っ先に外しました。『山寺グラフィティ』に関しては、1994年関西テレビ学校の怪談」にて『逢いたい』の題でドラマ化されていますが、だいぶ過去のことですし、大胆に改題されてしまったこともあって、この機会にあらためて原作準拠で丁寧に美しく映像化してほしい、と予想に加えました。

 

 テレビドラマということで、壮大なスケール感の作品や、特撮・CGなどに莫大なお金がかかりそうな作品などはとりあえず予想から外しましたが、そういう作品こそドラマ化してくれたら驚きが大きいですし、歓迎したいところです。

 

 はたして、残り5作品は何なのか?

 公式発表が楽しみです。

映画ドラえもんにNiziUとStray Kidsが絡んだ記念にお祝い会開催

 3月に公開予定の『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』の主題歌「Paradise」をNiziUが歌うわけですが、その「Paradise」の作曲&プロデュースを、韓国のアイドルグループStray Kidsのメンバー3人からなるプロデューサーユニット3RACHAが手がける、と数日前に発表されました。

news.yahoo.co.jp

 

 その一報に触れた私は、熱烈なStray Kidsファンの友人と「びっくりしたねー!」などと話して盛り上がり、その話の流れで、映画ドラえもんにNiziUとStray Kidsが絡んだお祝い会をやりました♪  

 会場は名古屋市内の韓国料理店。店内にKーPOPアイドルのポスターがたくさん貼ってあり、MVがずっと流れていました。

 

 マッコリのカクテルがおいしくて4種類ばかり飲みました。料理もみんなおいしかったです。

 

 映画ドラえもんにNiziUとStray Kidsが絡んだお祝いですから、もちろんその話題でも盛り上がったのですが、5時間以上もしゃべったので話は多岐にわたりました。

 藤子・F・不二雄先生のSF短編『やすらぎの館』の話から、同様のアイデアを題材にした藤子不二雄Ⓐ先生のブラックユーモア短編『社長幼稚園』のタイトルが挙がり、そこからフォークダンスDE成子坂のコント『チューリップ商事』へとつながっていったときなど、ずいぶんテンションが上がりました。社会的責任のある大人の幼児化、という括りでそれらの作品がつながったのです。

 この春NHKBSプレミアムで放送予定のSF短編ドラマで『やすらぎの館』をやってほしいなあ。全10作品がドラマ化されるなか、現時点で5作品が発表されています。残り5作品が何になるか気になるところ。

モジャコロッケ

 きのうのことです。コロッケになった経験のある人物・モジャラ(モジャ公)の目の前でコロッケを食べました(笑)

 

 藤子・F・不二雄先生の傑作SFストーリーマンガ『モジャ公』に「うまそうな三人」というエピソードがあります。そのエピソードのトビラページで、モジャラが“モジャコロッケ”なる料理になっています。

 「うまそうな三人」の本編で、モジャラ、空夫、ドンモの三人組はカミカミ星人によってあわや料理にされかけましたが、すんでのところで危機を逃れます。油で揚げられる寸前のところまで行ったものの、なんとか助かったのです。

 が、このエピソードのトビラページでは、三人組がそれぞれ、モジャコロッケ、空夫ステーキ、ドンモシチューという料理にされてしまった姿が描かれているのです。

 モジャラの“コロッケになった経験”とは、そのことを指しています。

 

 2017年でしたか、そのモジャコロッケを元ネタにしたメニュー、その名も“モジャコロッケ”が、藤子・F・不二雄ミュージアムのカフェに登場したことを思い出さずにはいられません。

 主人公が料理にされて食われる……というブラックなネタを実際にカフェメニューにしてしまったわけで、その攻めたメニュー化に当時の私は喝采したものです。

 すでに廃止メニューになっているのが残念ですが、私のなかではレジェンドなカフェメニューのひとつとなっています。

怒りエネルギーの有効利用

 今年初のアニメ『ドラえもん』(1月7日)で放送された2本(「宝さがしペーパー」「カッカホカホカ」)の原作は、どちらもてんとう虫コミックスドラえもんプラス』収録作でした。

・「宝さがしペーパー」は4巻に、「カッカホカホカ」は6巻に収録

 そのうちの1本「カッカホカホカ」は、人間の怒りの感情が有するエネルギー、すなわち怒りエネルギーを有効利用する話です。

 怒りエネルギーの有効利用というアイデアから、私は「まあまあ棒」(てんとう虫コミックス23巻)のラストを思い出しました。

 

 「まあまあ棒」のラストで、ジャイアンの腹の中に積もり積もった怒りエネルギーが大爆発を起こし、その光景を見ながらドラえもんがこう言います。

「あのすさまじいエネルギーを、なんとか平和に利用できないものだろうか……?」

 

 “まあまあ棒”というひみつ道具には、怒っている人のその怒りを一瞬にして手軽に静める働きがあります。より正確に言えば、怒りを静めるのではなく、怒りを腹の中に吞み込ませ我慢させる道具です。怒りを簡単に消してしまえるわけではないのです。

 ですから、やたらに怒りを呑み込ませてしまうと、腹の中に積もり積もった怒りが火山のように大爆発を起こす危険性が拡大します。

 

 怒りを何度も無理やり呑み込まされたジャイアンの大爆発は、じつにすさまじいものでした。

 その大爆発シーンが、「まあまあ棒」のラストで描かれているのです。

 

 “まあまあ棒”は、そのように怒りエネルギーを抑え込むことはできるものの、有効に活用することまではできません。

 それに対し、怒りエネルギーを平和的に有効利用できるのが、今回のアニメに出てきたひみつ道具“カッカホカホカ”です。怒っている人から怒りエネルギーを吸いとって熱エネルギーに変換し、ストーブやカイロのような暖房器具として使うことができるのです。

 

 「カッカホカホカ」の作中では、この道具のおかげで、いつも恐ろしく怒っているおじいさんといつもビクビクオドオドしている孫の関係が平和的なものに変わります。怒りエネルギーを物理的に有効利用するばかりか、人の心を和ませ家族関係をよくする副次的なプラス作用までもたらしたのです。

 なんと、すばらしい効果効能でしょう!

 

 そんなふうに“カッカホカホカ”は怒りエネルギーを平和的に有効利用できる、ありがたい道具なわけですが、今回のアニメ版では、“カッカホカホカ”の平和的有効利用に失敗してしまうオリジナルシーンが追加されました。

 福引きに外れまくって怒りを蓄積したジャイアン……。ドラえもんのび太は“カッカホカホカ”でその怒りエネルギーを吸いとろうと試みたものの、吸いとりに失敗してしまいます。ゆえに、「まあまあ棒」のラストと同じく、ジャイアンは積もり積もった怒りエネルギーによって大爆発を起こすのでした。

 これを見ると、ジャイアンのすさまじい怒りエネルギーを人為的にコントロールしたり平和的に利用するのはじつに難しいことなのだなあ、と痛感させられます(笑)

 ジャイアンの怒りエネルギーは非常に強力なのでうまく使えば多くのことに役立ちそうですが、そのぶん取り扱いが難しい、厄介なエネルギーでもあるようです。

 

 ちなみに、てんとう虫コミックス42巻収録の「感情エネルギーボンベ」に出てくるひみつ道具“感情エネルギーボンベ”なんかも、“カッカホカホカ”同様に怒りエネルギーを吸いとって有効活用できる道具です。怒りの主から少し離れたところで怒りエネルギーを吸いとれるので、怒りの主の体にプラグを直接挿し込まねばならない“カッカホカホカ”よりも、より便利な道具といえそうです。吸いとった怒りエネルギーの用途も、お湯をわかしたり、電灯をつけたり、ラジカセを鳴らしたり、ラジコンを動かしたりと、暖をとるだけの“カッカホカホカ”よりずいぶん広いです。“カッカホカホカ”の発展型道具が“感情エネルギーボンベ”なのです。

 

*追記
 アニメオリジナル作品ながら、“まあまあ棒”によって積もり積もったジャイアンのすさまじい怒りエネルギーの爆発を平和利用できた成功例がある、との指摘をいただきました。
 2016年12月9日放送の「南極ペンギンを救え!」です。
 ペンギンたちの生活をおびやかす巨大氷山を崩すことに、ジャイアンの怒りエネルギーの爆発が役立ったのです。

謹賀新年

 新年あけましておめでとうございます!

 今年もよろしくお願いします♪

 

 

 元日に届いた藤子プロさんの年賀状が、新年から私の藤子ゴコロを揺さぶって楽しませてくれました。

 SF短編のひとつ『ヒョンヒョロ』に登場する大うさぎちゃん(うさぎ型宇宙人)がドラえもんとペアで新年をお祝いしています。

 大うさぎちゃんは、地球の社会慣習を尊重して地球のお正月を祝ってくれているのでしょうか?

 祝ってくれているうちはよいのですが、地球人がヒョンヒョロというものを知らないことを大うさぎちゃんが知ってしまったら、新年早々誘拐を実行されそうで心配です😂 

 ご覧のとおり、年賀状の大うさぎちゃんは心の底から上機嫌そうな表情をしています。けれど、私の脳裏にはどうしてもあのドギツイ激昂顔がよぎってしまうので、いくら今が笑顔でもホッとできないのです(笑)

 

 小学館ドラえもんルームさんからの年賀状にも大うさぎちゃんが!😆

 

 というふうに、元日から私の心を楽しく不穏にしてくれたのが公式から届いた年賀状だったのです。

 昨年から藤子・F・不二雄ミュージアムで「藤子・F・不二雄のSF短編原画展 ―Sukoshi・Fushigiワールドへの招待―」が開催中です。そして今年の春に『藤子・F・不二雄SF短編全集』(全10巻)の発売が予定されています。さらにこの春にはSF短編10作品のドラマ化が予定されており、まさにSF短編大キャンペーン真っ只中のような状況のなか、ウサギ年の年賀状に登場してもらうならやはり『ヒョンヒョロ』の大うさぎちゃんになりましょう。じつに不穏ながら、じつに妥当な起用だと思います。

 

 そんな元日の全国紙(朝日、産経、読売、毎日)に、小学館創立101周年の全面広告が掲載されました。『ドラえもん』の「未来の国からはるばると」の一コマ(ゴロゴロとお正月を過ごすのび太くんのコマ)が大きく使われています。

 わが家が取っている中日新聞にはこの広告が載っていなかったので、この情報を知ってからコンビニへ行ってみたら毎日新聞があったので無事お迎えできました♪

 お正月当日にこんなに大きな紙面でこののどかなシーンを見られるなんて、じつに気持ちがホクホクします。

 

 とはいえ、このシーンのあと、のび太くんのお正月はのどかじゃなくなるのですが…😂 

 のどかじゃなくなったものの、ドラえもんが未来からやってきてくれた記念すべき日ですから、のび太くんにとって史上最高のお正月になったと言ってもよいでしょう。

 

 

 新しい年が、みなさまにとって素晴らしい一年になりますように

 

 

ドラマ『まんが道 青春編』一挙再放送と大みそか

 この年の暮れに、藤子不二雄Ⓐ先生原作のドラマ『まんが道青春編』の一挙再放送が2夜にわたり行なわれました。

■放映スケジュール

12月19日(月) 午後11時50分~翌午前2時30分 第1回~8回 (月曜深夜)

12月20日(火) 午後11時50分~翌午前2時10分 第9回~最終回 (火曜深夜)

19分30秒×全15回

https://www.nhk.jp/g/blog/y201c3fmxc/

 

 藤子不二雄Ⓐ先生の自伝的マンガ『まんが道』が初めてドラマ化されNHK銀河テレビ小説の枠で放送されたのが、1986年11月17日~12月5日のことでした。主人公の満賀道雄藤子不二雄Ⓐ先生の分身)を竹本孝之さんが、才野茂藤子・F・不二雄先生の分身)を長江健次さんが演じています。

 ドラマ『まんが道』は高い評判を得たようで、翌年夏に続編が放送されることに。それが『まんが道 青春編』(1987年7月27日〜8月14日放送)です。

 前作は、藤子先生の故郷、富山県高岡市が主舞台でしたが、続編は2人が上京してからの物語。両国の下宿先やトキワ荘を舞台にドラマが繰り広げられます。

 オープニング主題歌は前作と同様、竹本孝之さんが歌う『ホールド・ユア・ラスト・チャンス』ですが、歌詞が2番のものになっています。主題歌とともに流れるオープニング映像は、UFOが飛び去ったあとにできた道を主人公2人が力を合わせて進んでいく姿を映し、その映像と交差するように、オバQドラえもんパーマン、猿、怪物くん、ハットリくん21エモン、ウルトラB、ジャングル黒べえといった藤子キャラクターたちのカラー図版が画面の下から上へと移っていきます。

 手塚治虫先生は前作と同じく江守徹さんが演じていますが、テラさん(寺田ヒロオ先生)は渡辺寛二さんから河島英五さんにキャストチェンジ。そのほか、石森章太郎赤塚不二夫鈴木伸一、角田次郎、永田竹丸、森安直哉といった実在の各先生がたが多数登場するところが前作との際立った違いです。石森章太郎役を演じたのが、石森先生の実の息子・小野寺丈さんというのは適役としか言いようがありません。

 数々の藤子アニメに出演した名声優・肝付兼太さんや、原作者の藤子不二雄Ⓐ先生がゲスト出演する回もあって、この辺のキャスティングは藤子ファン大喜び。さらには、トキワ荘に住む美人姉妹役で高木美保さんと森高千里さん、中華食堂・松葉の店員役で鈴木保奈美さんが出演しており、いま見るとレア映像満載といった印象です。

 

 以上、私なりにドラマ『まんが道青春編』を紹介してみました。

 

 そんな『まんが道青春編』が、このたび地上波のNHK総合で再放送となりました。地上波での放送ということで、大勢の人が気軽にチャンネルを合わせて同じ時間にオンエアを楽しむことができて、年末の深夜にあたたかい贈り物をいただいた気分です。

 このドラマを観るだけならDVDなどを再生していつでも観られるのですが、今回は年末に地上波で一挙再放送してくれたことに大きな意味があり喜びがあります。その“年末”というのが、藤子不二雄Ⓐ先生が他界された年のものであるというのもまた意味深いことでしょう。

 『まんが道青春編』一挙再放送を視聴することで、大勢の方々と心を合わせてⒶ先生を追悼することができた……。そういう尊い気持ちになれました。

 

 ただ、あんまりしんみりとしながら観ると、年末なのに心がしんどくなってつらいので、Ⓐ先生を悼みつつも、なるべく手放しで楽しもう!とのスタンスでリアルタイム視聴しました。

 リアルタイム視聴したときの、とりとめもない感想をざっと書き残しておきます。年末気分も手伝って、作品の本筋や重要ポイント以外のところで勝手に盛り上がりながら視聴していた気がします。

 

・『まんが道青春編』の台本。第6回〜10回の分だけ持っています。

 

・この画像は、本放送中新聞に掲載された短評です。“改めて認識させられたのは、漫画界における手塚治虫という存在の、けた違いの大きさだ”(中日新聞1987年8月1日付テレビ欄より)

 

 さて、一挙再放送第一夜の始まりです!

 放送開始時刻がやってきて、第1話スタート。1話を観てあらためて感じたのは、「毒蛇はいそがない」という、原作にも出てくることわざがけっこう繰り返し出てきたなあ、ということ。何かピンチのとき「毒蛇はいそがない」を呪文のように唱えると気分が落ち着いてきて、今まで焦り気味だった心が「なーに、あわてることはないんじゃないの」という気分になる、とⒶ先生が語っておられたのを思い出しました。

 

 両国の下宿先のおじさん役は伊東四朗さんです。伊東四朗さんといえば、真っ先に頭に浮かぶ姿が実写版の喪黒福造。伊東さんは、生身の身体で喪黒らしさを醸し出すため、カメラが回っている間はまばたきしないという俳優魂を見せてくださいました。

 そして、今年10月31日に行われた藤子不二雄Ⓐ先生お別れの会で伊東さんがⒶ先生のエピソードを語られたことも忘れがたいです。

伊東は99年に放送されたテレビ朝日系ドラマ「笑ゥせぇるすまん」の実写版に主演し、主人公の喪黒福造を演じた。出演について「断っちゃったんです」と明かし、「そうしたら先生が『会いたい』と言って、開口一番『喪黒はあんたしかいないんだ』と言われたのが、初めての言葉です」と振り返った。役については「あんなに苦労したものは今までなかった。何とかやり抜いて、1作目の放送はいい視聴率だった」。当時の藤子さんの反応についても「あんまり笑わない人なんですけど、ニヤッと笑ってくれました。『よくやったね』と言ってくれました」と話した。

https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202210310001016_m.html?mode=all

(日刊スポーツのWEB記事[2022年11月1日5時15分]より引用)

 

 喪黒福造役のオファーをいったんは断ったもののⒶ先生から直接の説得を受けて引き受けた、というエピソードが語られています。Ⓐ先生から「喪黒はあなたしかいないんだ」なんて説得されたら、それはもう引き受けざるをえない……というより喜んで引き受けたくなりますよね。

 Ⓐ先生が見込んだとおり、喪黒になりきった伊東さんの演技は怪演であり名演でした。実写であそこまで喪黒化するなんて至難のわざでしょう。

 

 その伊東さんが演じた両国の下宿先のおじさんの妻、すなわち下宿先のおばさん役は水前寺清子さんでした。水前寺さんと藤子先生の関わりといえば、1985年3月14日NHKで放送された『この人 藤子不二雄ショー』がただちに想起されます。二人で一人の藤子不二雄を特集したショー形式の番組で、水前寺さんが司会をつとめたのです。手塚治虫先生と武田鉄矢さんがゲスト出演するという豪華さでした。

 

 前作のドラマ『まんが道』で重要な役回りだった立山新聞社の虎口部長が青春編にも登場してくれました。虎口部長を演じるのは前作と同じ、蟹江敬三さん。蟹江敬三さんといえば、1988年放送の連続ドラマ『藤子不二雄の夢カメラ』で渡辺美奈代さん演じる主人公のお父さん役をやっていたのが藤子ファン的に印象に残っています😊

 

 その蟹江さん演じる虎口部長が満賀道雄才野茂を連れて銀座の寿司屋へ行くシーンがあります。寿司屋の大将の役を演じたのは今西正男さん。今西さんはモノクロ『怪物くん』でフランケンの声を担当した方でもあります。(そのことは自分ではすぐに気づけず、ある方にご教示いただき「そういえばそうだった!」となりました)

 今西さんが寿司屋の大将役で出演したのと同じ回に、肝付兼太さんが秋山書店の編集長役で出演しており、肝付さんはモノクロ『怪物くん』で番野の声をやっていたので、この回にはモノクロ『怪物くん』の声優さんが2人出ていたことになります😊

 肝付さん×『怪物くん』の組み合わせでいえば、やはりシンエイ動画版『怪物くん』のドラキュラのイメージがずっと強いのですが。

 

 先述したように、トキワ荘に住む美人姉妹が高木美保さんと森高千里さん、ラーメンの出前を持ってくる店員さんが鈴木保奈美さんというのもポイントですね😍 このドラマで最もヒロインに相当するのは森高さんかな、と感じました。保奈美さんもオーラ漂う存在感を見せてくれました。

 

 今回の一挙再放送を観ている最中、画面に江守徹さん演じる手塚治虫先生が登場するたびに、心のなかで「手塚先生―――!」と叫んでしまっていました(笑)

 

 

 一挙再放送第二夜もリアルタイム視聴できました。

 ドラマオリジナルの登場人物、田辺金市(吉幾三さん)は、主人公2人の部屋に居候したうえ押入れに入るシーンがあったりして、なんだかドラえもんを思い出させたりもする存在でした。しかしあんまり居候してほしくない居候だったので、田辺金市のシーンを観ているときは「これがハットリくんドラえもんだったら、とびっきり嬉しいのになあ」などと勝手なことを思ったのでした(笑)

 

 チューダー・パーティーのシーンを観たらチューダーを非常に飲みたい衝動にかられました。が、深夜だったこともあって飲むのは控えました。

 

 第10話~11話あたりで『まんが道』史上最悪の事件が起こります。あのおそろしき原稿大量落とし事件……。恐怖の催促電報……。ほんとうに心臓に悪い電報です。そうしてゲンコウオクルニオヨバス……。

 落胆する満賀にお母さんがかけた言葉が胸にしみました。

 

 東京に戻った満賀&才野をテラさんが「ばかやろう!!」と𠮟ります。このセリフ、原作では「ばかっ!!」だったなあ、などと思い出しながら、藤子ファン仲間さとちゃんさん制作のテラさんフィギュアにご登場願いました。

・「ばかっ!!」

 

 2人を励ます会のシーンでは、仲間の尊さをしみじみ感じたなあ。

 

 第14話、新宿の酒場のシーンで藤子不二雄Ⓐ先生ご降臨です! 「なろうなろう明日なろう明日は檜になろう」と言いながらテラさんと満賀の肩を叩いて新漫画党メンバーを励ます酔客の役で、ほんの少しだけ唐突に藤子Ⓐ先生が登場するのです。

 個人的に、この夜のクライマックスがこのシーンでした😊

 

 この画像は、『まんが道青春編』最終回(1987年8月14日)の番組表。出演者の掲載順を見ると、主役2人の次に当時新人だった森高千里さんの名が。

 このたび一挙再放送を視聴して、淡いヒロイン役だった森高千里さんのういういしい演技が思いのほか印象に刻まれました。私は若いころ森高さんのユニークな歌詞が好きで「たしか、なんらかのCDを買ったはずだよなあ」と探してみたら、1995年発売のベスト盤を発掘できました。

 このアルバムにも収録されている森高千里さんの「気分爽快」と、河島英五さんの「酒と泪と男と女」……。『まんが道青春編』の出演者2人が歌う曲が、私にとって、「飲む」という動詞が力強い魅力をともなって伝わってくる2大飲酒ソングなのです(笑)

 

 そんなこんなで、2夜におよぶドラマ『まんが道青春編』一挙再放送、楽しませてもらいました。

 藤子不二雄Ⓐ先生が他界された年の暮れにこのドラマを地上波で放送してもらえたことに感謝するばかり。ファンにとってあまりに悲しく寂しいことが起こってしまった年の暮れに、こういうかたちでⒶ先生へ惜別の情を送る機会を授けてもらえて、ほんとうにありがたく思うのです。

 多くの方々と共に先生を追悼できた気がします。

 

 

 今月の29日と30日の夜には、藤子ファン関係・マンガ好き関係の友人知人たちとリモート忘年会をやりました。(29日と30日は別メンバーです)

 どちらのリモート忘年会も5時間超えの長丁場となり、ぞんぶんに年忘れトークができました。

・30日のリモート忘年会では、藤子不二雄Ⓐ先生に向けてチューダーで献杯

 

 そして、31日には市内のリサイクルショップで今年最後のお買い物。

 合計2000円くらいで昔の藤子関連レコード4枚を収穫できました。モノクロオバQ時代のソノシート2枚と80年代アイドルのレコード2枚です。

 伊藤つかささんのレコードは直接的には藤子レコードではありませんが、彼女がドラえもんに出てくる大人気アイドル伊藤翼ちゃんのモデルということでお迎えしてみました😄

 

 31日の夕方には、『大みそかだよ!ドラえもん 1時間スペシャル』の視聴も。番組内で放送されたうちの一編「天の川鉄道の夜」は2009年3月6日に放送された作品の再放送でしたが、大みそかの空気のなかで観ているとその名作っぷりがジーンと響いてきます。のび太を運転席に座らせてくれたり天の川鉄道への深い愛情がにじみ出るゴンスケ車掌のやさしさにグッと来たりも。

 

 

 今年も残すところ5時間ばかりとなりました。

 

 当ブログの今年の更新はこれで終わりです。

 ご訪問くださったみなさま、一年間ほんとうにありがとうございました。

 よい年をお迎えください♪