映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』

koikesan2007-02-08

 今月10日(土)より公開予定の映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』の試写会へ行ってきた。この映画も藤子マンガとは直接関係ないが、タイムトラベルものという点で『ドラえもん』『T・Pぼん』『SF短編』など藤子・F・不二雄作品と通ずるものがあるといえばあるし、そればかりでなく、この映画のなかである登場人物が一度だけ「ドラえもん」という語を喋るので、“藤子ネタが出てくる他作家の作品”という括りでとらえられないこともないのだ。



 同映画の主演は、阿部寛広末涼子ホイチョイ・プロダクションズとフジテレビが手を組んだ映画ということで、観る前から作品の方向性がなんとなく察せられそうだ。
 私は藤子・F作品の影響で、タイムトラベルものは本格派からヌルめのものまでだいたい好きだし、この映画ではそのタイムトラベルの行き先がバブル全盛の1990年とあって、個人的に楽しめる要素が揃っていた。
 1990年といえば私は大学生。あんなバブリーな生活を享受していたわけではないが、それでも、バブルに浮かれる人々や街の様子がディテールたっぷりに描写されているのを観ると、「こんなことあったあった!」と過去を懐かしむ気分がわいてくるのだった。
 そんな「あったあった」感と相俟って、17年前の中途半端な古臭さが興味と笑いを誘う。携帯電話が普及していないとか、ワンレンボディコンで太い眉の女性が街を闊歩しているとか、その他あれやこれやの場面で17年前の微妙な昔を堪能できた。
 


 借金で破産寸前の2007年の日本を救うため、17年前へ赴いてバブル崩壊を食い止めよう、という状況は結構シリアスだが、全体としては軽妙なタッチの映画だった。笑いがあって活劇があってちょっとホロリとくる、明快で軽快な娯楽作品である。
 そもそも、タイムマシンがドラム式洗濯機というのがばかばかしくてコミカルだ。