『怪物くん』のコンビニ本とNHK「こだわり人物伝」テキスト

 本日発売のコンビニ本、MyFirstBIG『ドラえもん』[だましだまされ、大笑い!!編]を最寄りのセブンイレブンへ買いに行ったら、同じMyFirstBIGのレーベルから『怪物くん』が2冊出ていたので、合わせて購入しました。
『怪物くん』のコンビニ本は[俺は怪物くんだ!]と[怪物ランド]の2冊に分かれていて、さらに4月2日には[モンスター]という副題の1冊が発売されるようです。
 
 こうして『怪物くん』のコンビニ本が発売されたのは、もちろん『怪物くん』のドラマ化があるからで、表紙は怪物くんのイラストよりも怪物くんを演じる大野智くんの写真のほうが大きく載っています。



 昨日(25日)発売のNHKテレビテキスト「こだわり人物伝 藤子・F・不二雄」を購入し読みました。
 
 藤子不二雄A、伊藤善章(藤子プロ社長)、藤本正子(藤子・F・不二雄夫人)、岡田斗司夫の4人が、それぞれの視点から藤子・F・不二雄について語っています。この本で活字化されている内容が、31日から始まる番組のなかで各語り手の映像とともに放映される、ということでしょうか。
 藤子A先生が語っている内容は、ファンにはお馴染みの藤子ヒストリーですが、これはもう、語られた内容に新味があるかどうか云々よりも、F先生と二人三脚で戦後マンガ史の渦中を歩んできたA先生が今こうしてご自分の声でご自分の体験を語っている、というそのこと自体が重要であり、そのことに心をふるわせたいと思うのです。A先生が戦後マンガの歩みや藤子ヒストリーを語る行為は、すでに伝統口承芸の域に入ってきてるんじゃないでしょうか^^


 伊藤善章さんと藤本正子さんの語りは、F先生のお人柄があたたかく素敵に伝わってきて読みごたえがありました。伊藤さんは仕事のうえでのF先生、正子夫人はプライベートのF先生を詳しく愛情たっぷりに語れる人物なので、このお二人を起用したのは正しい選択だったと思います。
 正子夫人の語りからは、忙しくても家庭や娘さんとの交流を大切にしていたマイホームパパとしてのF先生の姿が浮かび上がってきました。読んでいるとほかほかした気持ちになれますし、F先生がマンガ家としてだけじゃなく、人としてとても尊敬できる人物であったことを改めて実感できます。闘病生活からA先生とのコンビ解消の話にまで触れられていて、このあたりの話を読んでいるとやはり胸に切なさがこみ上げてきます。F先生はアンドリュー・ワイエスの絵が好きだったとあったので、私はそれを知った瞬間この画家の画集が欲しくなってきました^^


 岡田斗司夫さんは、SFファンの観点から藤子F作品を語っています。語り手4名のうち、岡田さんだけはF先生と直接お付き合いのなかった人なので、あくまでも作品を紹介するという立場ですね。
 藤子・F・不二雄は『オバケのQ太郎』『ドラえもん』など楽しくて愉快な児童マンガを描いてきた童心のマンガ家であるという世間的なイメージに、少し異なった新しいイメージを加えるには適切な語りだったと思います。