「まんが道をゆけ!」感想(前編)

 私が出演した番組「まんが道をゆけ!」(NHK総合・中部ローカル)が、1月28日(金)に無事放送されました。(翌29日(土)午前10時35分から再放送も)
 さらに2月8日(火)、BS-hiで全国放送もありました。
 ご視聴くださった皆様、ありがとうございます!


 BS-hiではまだ2月17日(木)午前1:00〜1:44(16日(水)深夜25:00〜25:44)の放送を残していますが、 今日は「まんが道をゆけ!」が無事放送されたのを記念し、この番組に出演した者として感想を書こうと思います。


 番組は、ビビる大木さん、内田勝康アナウンサー、私の3人が富山県にある藤子先生ゆかりの地を巡るロケパートを中心に、森田まさのり先生、進藤やす子先生、ハロルド作石先生のインタビューパートを挿入しながら進行しました。ナレーションは、喪黒福造の声の大平透さん。


 ■番組公式サイト
 http://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/archives/onair/110128.html



 高岡駅
 ロケのスタートは、朝の高岡駅から。出演者は、朝7時に集合でした。
 私の出番はまだだったため、高岡駅でビビる大木さんと内多アナが合流するシーンはテレビで初めて観ることになりました。なるほど、ロケはこういうふうに始まっていたのか。
 このときは、まだあまり雪が降っていませんでした。


 高岡古城公園 
 高岡古城公園に着く頃合から雪の降りが強くなってきました。私は高岡古城公園内の「二つ山」という場所で、『まんが道』の作中人物・激河大介になりきって、彼が『まんが道』のなかで初登場したシーンみたいに、手塚先生の『新宝島』を開いて顔に乗せ寝そべるシーンから始めることになっていました(今回使った『新宝島』の単行本は復刻版です)。
 ですから、なるべく雪が降らないほうがありがたかったのですが(笑)、その願いに反して雪はやむ様子がありません。そうとなったら、「これこそ冬の高岡らしい情景なんだ」と前向きに考えるしかありません。
 雪の降り積もるなか、銀色のシートを敷いてもらってそこに横たわることに。二つ山にビビる大木さんと内多アナがやってきて私を発見してくれるまでは、スタッフの方と『プロゴルファー猿』の話などをして寒さを紛らしました(笑)


 ビビる大木さんと内多アナが二つ山に到着すると、私はおもむろに立ち上がり自己紹介をします。放送ではこの場面で私の著書『藤子不二雄Aファンはここにいる』(社会評論社)を映してくれました。喪黒福造のナレーションで私の名前などを紹介してもらえて、これだけでも生涯の記念になりそうです。
 この場面が私の最初の出番ということもあって、ロケ中で最もプレッシャーを感じました。なにしろ、テレビに出るのが初めてですから…
 プレッシャーと同時に、変に興奮が高まっていたため、カメラの前では緊張のあまり身がすくんだり声が小さくなったり心がフリーズしたりといったことはなく、むしろ緊張のおかげでハイテンションで張りのある喋りになったような気がします。


 二つ山から相撲場へ降りて、藤子先生の定塚小学校時代および高岡中学・高校時代の同級生の方3名と語り合うシーンに。二人の藤子先生の少年時代のご様子などをうかがいました。放送されたとおり、藤子先生が高校時代につくった肉筆回覧誌『少太陽』がクラスのなかで回され、それを実際に手にとって読んだ方がいらっしゃいました。『少太陽』を近所の子どもたちに回覧して読んでもらったという話はよく聞くのですが、高校の教室で回覧したという話は新鮮でした。
 A先生は富山県で有数の進学校である高岡高校へ通っておられ、文系の進学コースで学びながら熱心にマンガを描き、なおかつよい成績を取っていたようなので、本質的に頭がよい少年だったんじゃないか、といったお話も聞けました。


 『まんが道』の作中では、満賀道雄才野茂がこの相撲場で東京行きを決断します。その決断の寸前まで二人は雪合戦をやっています。放送では使われませんでしたが、その雪合戦のシーンを再現しようと出演者一同で雪合戦のポーズをとりました。雪の球をつくって投げずにずっと手に持っていたものですから、手がやたらと冷えました(笑) 雪で遊ぶことなどめっきりなくなっていた私にとっては、久々の雪合戦となりました。



 藤子不二雄A先生の好物食べ歩き 
 高岡における藤子A先生の三大好物、塩谷昆布店の黒とろろ、大杉堂のおやき、女傅の赤巻かまぼこを食べ歩きました。心のなかでは藤子Aチックに「ンマーイ!」とリアクションしたいと思っていたのですが、タイミングがつかめず結局言いだせませんでした(笑)
 大杉堂では、お店の方が「最近大杉漣さんが来店されたんですよー!」という話をはじめられ、藤子先生から話が脱線していくのが愉快でした(笑)
 女傅のかまぼこは赤く渦を巻いた形状になっていて、これがこの地方の普通のかまぼこなのだそうです。ビビる大木さんがそのかまぼこを自分の頬に近づけて「ハットリくん!」ってやりました。このときの映像が、番組の予告でも使われました。
 
 ・塩谷昆布店での撮影が終わったあと黒とろろをゲット! A先生は、これをご飯にふりかけて食べるそうです。
 
 ・塩谷昆布店内に飾られた藤子先生の直筆色紙3枚。レジの上に飾られています。



(続く)