トキワ荘記念碑・松葉・紫雲荘

 28日(日)、藤子・F・不二雄ミュージアム内覧会を大いに満喫したあとは、東京都豊島区にあるマンガの聖地「トキワ荘」の跡地へ向かいました。
 トキワ荘の建物は残念ながら1982年に解体されて残っていませんが、藤子不二雄A先生の自伝的マンガ『まんが道』の「ンマーイ!」でお馴染みの中華食堂「松葉」は現在も営業しています。
 また、トキワ荘があった街・豊島区南長崎を中心に、そこに暮らした漫画家さんたちが刻んできた偉大な文化を受け継ぎ発信していくため「トキワ荘通り協働プロジェクト」が立ち上がり、さまざまな活動を展開しています。
 
 これは、トキワ荘跡地への入口を示す案内看板です。ここから入ると、位置的には、トキワ荘の非常階段があった側(トキワ荘の裏側)を眺める格好になります。跡地には今、ぜんぜん別の建物が建っています。


 今回は、そのトキワ荘通り協働プロジェクトの中心スタッフの方々とお会いし、松葉でいっしょにラーメンを食べよう!ということになっていたのです。
 松葉へ入る前に、この街のシンボル的なモニュメント、記念碑「トキワ荘のヒーローたち」を眺めに行きました。この地へ来たからには、まずこれを拝もうというわけです。この記念碑は、南長崎花咲公園のなかにあり、2009年に盛大に除幕式が行われました。
 
 ・記念碑「トキワ荘のヒーローたち」


 
 ・記念碑の後ろ側

 
 
 ・記念碑を説明する案内板


 記念碑をうっとりと眺めてから松葉へ。これが現在の松葉です!
 
 松葉では、皆でラーメンや餃子を食べビールを飲みながら、トキワ荘関係の話題を中心にマンガ談義を楽しみました。場所が場所だけに、マンガの話が一段と盛り上がるような気がします。
 ラーメンの一口目をすすったさいは皆で「ンマーイ!」をやりました(笑)


 松葉で満腹になったあとは、その近所にある「紫雲荘(しうんそう)」という古い2階建てのアパートへ移動しました。トキワ荘跡地のすぐ近くにあります。
 
 この紫雲荘、ご存じない方も多いかと思いますが、赤塚不二夫先生が若かりし頃に1年あまりお住まいになっていたアパートなのです。
 赤塚先生は、昭和35年から36年にかけてこのアパートの202号室に住み、仕事場、寝室として使っていました。トキワ荘の部屋が手狭になってきたためもう一部屋、ということで紫雲荘の一室を借りたのだそうです。


 紫雲荘は、昭和34年に建てられ、50年以上が過ぎた今も現役のアパートとして活躍中です。赤塚ファン、マンガファン、トキワ荘ファンはもとより、レトロな昭和建築がお好き方にもたまらない場所でしょう。
 
 紫雲荘が建っている通りは、いま「トキワ荘横町」と呼ばれています。この横丁には、『まんが道』『愛…しりそめし頃に…』にも登場する落合電話局が建っています。満賀道雄才野茂が落合電話局前の公衆電話ボックスを利用する場面が何度か描かれていますね。落合電話局のはす向かいに紫雲荘がある…という位置関係です。


 今年、その紫雲荘から新たな漫画家を輩出しようと、プロデビューを目指す漫画家の卵にこのアパートに入居してもらいサポートしていく、というプロジェクトが始まり、現在、漫画家の卵の青年2名が入居して漫画家修行に励んでいます。
 その2名とは別に、現在「週刊漫画ゴラク」で『東京シャッターガール』を連載中の桐木憲一さんも紫雲荘にお住まいになっており、この日は、松葉での食事から我々にお付き合いくださいました。


 トキワ荘通り協働プロジェクトの皆さまのはからいで、紫雲荘の赤塚先生が暮らした部屋(202号室)へ入れていただきました!
 部屋のなかでは、大家さんの記憶によって赤塚先生の仕事机などが再現されています。

「社長」の机が赤塚先生、「美人秘書」の机はアシスタントをしていた登茂子夫人が使っていたもの(当時はご結婚前)です。赤塚先生は「社長」「美人秘書」というネームプレートを本当に置いていたそうです(笑)


 この部屋で我々は夜の9時頃までマンガ談義に熱中しました。大きな声で盛り上がったため、漫画家の卵2名には迷惑をかけてしまったかもしれません^^
 松葉、紫雲荘という、日本マンガ史の舞台となった場所で、マンガの好きな方々とマンガについて語り合えたのですから、たいへん幸せなひとときでした。


 トキワ荘通り協働プロジェクトは現在、紫雲荘の赤塚先生のお部屋を会場にしてワークショップを行なっています。
 ・紫雲荘ワークショップの公式ページ
 http://tokiwaso-street.jp/project/category/workshop/
 このワークショップは現在までに2回開催されており、以後続いていく予定です。これに参加すれば、おのずと紫雲荘の赤塚先生の部屋を訪れるチャンスになりますし、いろいろな先生方のお話を聴ける貴重な機会にもなります。会場が狭いだけに毎回参加できる人数はわずかでして、すぐに定員に達してしまうでしょうから注意が必要そうです。


 当日お会いした皆さま、ありがとうございました!


※情報
・ビビる大木さんと私が藤子先生のふるさとを探訪したテレビ番組「まんが道をゆけ!」が、明日(9月1日・木)NHK総合で15時15分〜16時00分に放送されます。「ろーかる直送便」という番組枠のなかでの放送です。
 http://tv.yahoo.co.jp/program/45777709/
まんが道をゆけ!」は、もともとは今年1月に中部ローカルで放送された番組です。2月になってBSでも放送されましたが、地上波全国放送は初めてとなります。番組のナレーションは、喪黒福造の声を演じた大平透さん。漫画家のハロルド作石さんや森田まさのりさんが『まんが道』への思いを語るパートもあります。
 http://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/archives/2010/0128.html


サントリー黒烏龍茶」のCMに藤子不二雄A先生が描いたマンガ版『笑ゥせぇるすまん』が起用されています。公式ページで動画も観られます。
 http://www.suntory.co.jp/softdrink/kuro-oolong/cm/index.html?fromgab=news1
まんが道をゆけ!」でも大平透さん演じる喪黒福造の声が聴けるわけですが、こちらでも聴けますね〜。



・本日(31日)、藤子・F・不二雄ミュージアム特集の「TV Bros.」9月3日号が発売されました。表紙にもFキャラが!