今月中旬に『ほろよいブックス 酒読み ―文学と歴史で読むお酒』(ほろよいブックス編集部・編、社会評論社)という本が発売されました。
本書は、副題にもある通り、文学や歴史、民俗学などの観点から「酒」についてあれこれ語ったもので、各界22名の執筆者が寄稿しています。
私もそのうちの1人でして、「『ドラえもん』と酒」という、本書においてはボーナストラック的なエッセイを寄稿しました。マンガ『ドラえもん』で描かれた“酒”を概観し、作中における酒の役割を紹介しています。
同書の内容の詳細を版元の公式HPから引用します。
お酒の文学・歴史・記録・記憶をとおして懐かしくも新鮮な?人の営み?を味わう教養書。
【目次】
口上
【1】 古典で読むお酒 ほろよいブレンド
・江戸時代の浪漫漂泊詩人と酒詩歌
(寄稿)岩佐善哉
・江戸の風流 〜雪見酒・月見酒・花見酒
(寄稿)伊吹隼人
・上戸と下戸の争い 〜「酒飯論」
(寄稿)三瓶はるみ
【2】 近代文学で読むお酒 ロック&ストレート
・近代文学をめぐる酒 〜必要悪としての愉悦
(寄稿)高橋龍夫
・かなしい酒 〜あるいは自己からの逃避:啄木、漱石、朔太郎と酒酔
(寄稿)森村夏子
【3】 交差する歴史のお酒 民俗と民族のお話
・禁じられた酒造りと許された酒造りの間
(寄稿)才津祐美子
・盃事の民俗
(寄稿)板橋春夫
・琉球・沖縄の酒と文化と生活と
(寄稿)阪井芳貴
・日本で飲まれる朝鮮の酒 〜韓流でにぎわう繁華街から歴史の路地へ──
(寄稿)伊地知紀子
【4】モダンに読むお酒 芸術と社会からのBGM
・フランスの美酒
(寄稿)渋谷豊
・中入り(資料編)松尾邦之助「某月・某日・某名」〜趣味の雑誌「酒」
・喜多方美術倶楽部とお酒 〜「文化の力」がむすぶ経済と芸術
(寄稿)増渕鏡子
・現存最古の飲料販売機「酒の自販機」 〜廃棄寸前から重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)に
(寄稿)菅原孝平
・天賞酒造「うま酒こけし」 〜日本初のこけし専門書をつくった天江富弥の足跡
(寄稿)近松義昭
・「未成年者飲酒禁止法」制定 〜 「なぜ、お酒は二十歳になってからか?」をめぐる半世紀
(寄稿)元森絵里子
【5】 現代につがれるその1杯 (前編) 銃後の酒と人
・戦時期の酒類業
(寄稿)板垣由美子
・命あることを、ともに喜びあおう 〜戦争を語り伝える人々をたずねて
(寄稿)室田元美
・作家・大佛次郎のたしなむ酒
(寄稿)板垣誠一郎
【6】 現代につがれるその1杯 (後編) 戦後の酒と人
・グラスに映った残像から 〜追憶の昭和
(寄稿)石倉一雄
・サントリーの広報誌『洋酒天国』を中心に 〜ハイボールのひろめ方の歴史
(寄稿)三島万里
・新宿/ジャズ・バー/「PePe」
(寄稿)伊藤博一
【7】飲まない方にもお楽しみ
・『ドラえもん』と酒 〜子ども時代からずっと付き合いの続く親友たちとの宴の場
(寄稿)稲垣高広
・酒買いだるま
(寄稿)中村浩訳
結び
http://www.shahyo.com/mokuroku/consciousnes/man_history/ISBN978-4-7845-1713-8.php
以下のサイトでは、同書に寄稿されたお1人、洋酒ライターの石倉一雄さんを紹介した記事が読めます。
http://www.foodwatch.jp/strategy/15884