神奈川を中心に展開している書店チェーン、有隣堂さんの情報紙「有鄰」最新号の一面に、辻村深月さんのエッセイ「『ドラえもんと想像力で旅する五十年』」が掲載されています。
タイトルのとおり、『ドラえもん』50周年にちなんだ寄稿です。
私も9年前、この「有鄰」で「藤子・F・不二雄作品の魅力」というエッセイを書かせていただきました。それをご縁に、有隣堂さんは同紙を毎号送ってくださいます。
ありがたい限りです。
ステキなエッセイでした。とくに、「子ども時代の私は、この「いま」「ここ」にいる自分だけがすべてではないという感覚に、とても救われていたように思う。人は誰しも、今いる場所だけを居場所と思うと、しんどい瞬間がある。そこで逃げ場がなくなれば、追い詰められた気持ちになるからだ。」というくだりに心が共振してジーンとしました。
辻村さんはこのエッセイを「天の川鉄道の夜」の話から始めています。以前、早稲田大学で聴いた講演でも「天の川鉄道の夜」のお話をされていましたし、「『のび太の月面探査記』公開記念・辻村深月が選んだこの5冊!」のキャンペーンでもらえる特製缶バッジのデザインにも天の川鉄道を選んでおられました。
ほんと、お好きなんですねえ♪
早大での講演のとき辻村さんは「「天の川鉄道の夜」は優れたミステリーである」とおっしゃっていました。たしか、小説『凍りのくじら』でもそのことが言及されていたと思います。今回のエッセイでは「私が生まれて初めて出会った「ミステリ」だったかもしれない、と思うようになった」とも書かれています。
講演後、ワセダミステリクラブの方から「天の川鉄道の夜」がいかにミステリーとしてフェアかを教えてもらったことを憶えていますが、教えてもらった内容は記憶の底に埋もれてしまっています。