テレビ東京「新美の巨人たち」でマグリット回

 2月13日(土)放送のテレビ東京の番組「新美の巨人たち」のテーマがルネ・マグリット、ということで録画しておいたものを観ました。

 誰でも知っているようなものを意外なかたちで組み合わせて違和感や不思議な感じを生みだすマグリットの手法に中川翔子さんが挑むところなど面白かったです。中川さんがそれを「マグリットごっこ」と称していたのも好きだな。マグリットごっこ、楽しそうです。

 

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・「藤子不二雄Ⓐ展」で展示された『マグリットの石』の直筆原画

 

 藤子不二雄Ⓐ先生と仲良しの中川翔子さん、マグリットとの出会いはⒶ先生の短編『マグリットの石』だったとか。

 そうですよね、そうですよね! 私もそうなのです!!『マグリットの石』をはじめいくつかのⒶ作品でマグリットの存在を知り、魅惑されたのです。

 そういう共通体験をお持ち方、けっこういらっしゃるでしょう。

 

 藤子不二雄Ⓐ先生とマグリットといえば、個人的には2002年Ⓐ先生が名古屋でマグリットの講演をされたことが非常に思い出深いです。名古屋でⒶ先生と会えるだけでも比類なき喜びなのに、そのⒶ先生からマグリットのお話をたっぷり聴けるなんて、愛知に住む藤子ファンでマグリットが好きな私にはたまらない出来事でした。

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 Ⓐ先生はその講演の冒頭でマグリットの絵の最大の特徴として「観る人の想像力をかき立てる」と述べ、マグリットの絵画には「絵に描かれたものと、それとは無関係のタイトル」「シュールとリアル」「抽象と具象」といった様々なミスマッチがみられる、と解説されました。

 Ⓐ先生がマグリットの作品とご自分の作品を関連づけてお話しされたくだりには、とくにワクワクしました。マグリットの作品『世界大戦』について「貴婦人の顔がスミレの花束によって覆い隠されているという匿名性が特徴」と解説され、その特徴をご自分の作品『仮面太郎』と結びつけて話を展開されたのです。

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・「藤子不二雄Ⓐ展」で展示された『仮面太郎』の直筆原画

 

 講演のクライマックスは、Ⓐ先生の作品である『マグリットの石』をⒶ先生ご自身が解説するコーナーです。スクリーンに『マグリットの石』を1ページずつ映しながら解説していかれました。作者ご本人による全ページ解説を生で味わえるなんて、じつにじつに胸躍る体験でした。

 

 そして、Ⓐ先生がこの講演のために制作したマグリットのパロディ画×4枚にも歓喜しました。「富士山」「新宿の高層ビル群」「トキワ荘」「名古屋城とナナちゃん人形」の上空に巨大岩石が浮かんでいる画です。

 とくに、ローカルな「名古屋城とナナちゃん人形」を題材にしてくださったのには感謝感激でした。Ⓐ先生による講演地・名古屋への大いなるサービスですね。

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 講演会場は撮影NGだったので、記憶を頼りに「名古屋城とナナちゃん人形の上空に浮かぶ巨大岩石」の画を再現してみました。

 もちろんⒶ先生が制作された画はもっとずっとクオリティが高いのですが、まあだいたいこんな感じの構図だった…ということで(笑)

 

 Ⓐ先生がナナちゃん人形をご存じだったのは、かつて(1990年前後?)藤子スタジオにいらした女性スタッフのおひとりが名古屋出身で、Ⓐ先生はそのスタッフさんから「名古屋駅前にナナちゃんというノッポの美女が立っている」と聞き、たまたま用事で名古屋へ行くことになったときナナちゃんと対面していたからです。

 

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 講演後、美術館の売店マグリット展の図録のほか『ピレネーの城』のアドレス帳、『アルンハイムの領地』『リスニング・ルーム』の絵はがきなどを購入しました。

 

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 講演後にはⒶ先生と記念撮影もしていただけました!(当時Ⓐ先生のマネージャーをしておられたⒶ先生のお姉さまの取り計らいでした。ありがたや~!)