リニューアル『ドラえもん』第2回放送

本日、『わさドラ』第2回めの放送があった。
昨年や一昨年は、アニメ『ドラえもん』を毎週のごとく観ていたにしても、どことなく漫然とした気持ちで画面に向かっていたが、先週・今週は画面にのめり込んで集中した。『わさドラ』は、登場人物の表情やセリフを一瞬たりとも見逃すまい、という貪欲な気持ちにさせてくれるのだ。


●「のろのろ、じたばた」
 ドタバタ色の強い原作をどうアニメで料理するのだろう、ととても楽しみにしていた。私の期待があまりに大きすぎたのか、ちょっとインパクトが足りないような気がしたが、それでもおおむね満足できるレベルだった。
 原作では「クイック」「スロー」という瓶入りの飲み薬だった秘密道具が、今日のアニメでは「気分コロン クイック」「気分コロン スロー」というスプレー式のコロンに変更されていた。薬系の秘密道具が別の形態に変更されるというのは、前週の「思いだせ!あの日の感動」でも見られたことだ。すでにいろいろな場所で言われているように、薬系の秘密道具は、覚醒剤や麻薬、強い向精神薬などを連想させるため、そのままではお茶の間に流しにくいのだろう。こういう変更はやむをえないし、許容範囲である。
 ドラえもんのおもしろおかしい動きやセリフは、原作に沿ったかたちでアニメ化されて楽しめたのだが、私はどうもまだ水田わさびさんの声に馴染みきれず、そのぶん「おもしろい」という感覚が若干薄らいでしまった。ほかの声優さんにはそのうちすっかり慣れそうだが、わさびさんだけは時間がかかりそうだ。慣れの問題ばかりでなく、私が抱く原作ドラの声のイメージには、わさびさんより大山のぶ代さん(初期)のほうがずっと近いのである。元気で勢いがあって、保護者的な雰囲気から友達的になったわさびドラにはかなり期待しているのだけれど。
「やきいもは食べる前におならをする」の場面は、「来るぞ来るぞ」と身構えていたので、その場面になったときは「やったー!」と心の中で叫んでしまった。
 のび太が間違ってスロー用のコロンを使った瞬間の、トロ〜ンとした表情は抜群。このときのび太が発した「ファー、ファー」という声を聞いて、なんだか知らないが心がシビれまくってしまった。そのくらい私のツボにはまる場面であったということだろう。大原さんは、こういう非言語的な弛緩した声がうまそうだ。
 道具が薬でなくなったため、原作のオチとなるのび太のセリフ「だから、薬はいやというんだ」がなくなってしまったのは少し寂しい。


●「のび太のおよめさん」
 冒頭が原作とずいぶん違っていて、学校場面からのスタート。ここで、のび太の先生が初登場した。
 のび太が学校から帰宅したあたりから原作で馴染んだ展開になり、タイムマシンでおよめさんを見に行ってきたらとドラえもんに提案されたときののび太の照れ具合はかなりよかった。


●一本めの「のろのろ、じたばた」のあとコマーシャルへ行く前に、「ミニシアター」というコーナーがあった。
 これは、原作にある短い話を、簡素な絵でアニメ化していくコーナーらしい。ショートコントのようなキレと味わいがあった。おもしろい試みだと感じた。これでオーソドックスにOPとEDがあってくれたら、番組の構成として最高なのだが。
 サブタイトルの表示がなかったが、これの原作は「さよならハンカチ」といって、「ぼく、ドラえもん」16号の別冊付録に収録されている。
 この「さよならハンカチ」という作品、『ドラえもん』のアイデアを読者から募る企画が「小学三年生」誌上で行なわれたさい、そこで金賞を受賞したものである。そのあたりのことは、10月6日の当ブログで書いているので興味のある方はどうぞ。
「ぼく、ドラえもん」16号


それと、9月19日にも関連したことを書いているので、こちらもよろしければ。
「ぼく、ドラえもん」15号が届く


 来週の「どくさいスイッチ」は、もともと、ものすごく楽しみにしていた作品だが、予告映像を観てさらに楽しみになった。