「もっと!ドラえもん」創刊

 きのう、書店へ行くと、「もっと!ドラえもん」創刊号が発売されていたので購入した。高々と平積みにされていた。


「もっと!ドラえもん」(以下「もっとドラ」)は、今年2月に全25号で完結した「ぼく、ドラえもん」(以下「ぼくドラ」)のあとを受けたドラえもん専門雑誌である。「ぼくドラ」が月2回の発売だったのに対し、「もっとドラ」は季刊ペースで5号まで刊行される予定だ。そのかわり1冊のボリュームは「ぼくドラ」より増えている。
「もっとドラ」を5号まで集めるとすべてのパーツが揃う「カウントダウンフィギュア」が付録になっていて、この付録を入れた箱の幅が結構あるため、とても分厚い本のように見える。「ぼくドラ」創刊号とかと同じような見た目だ。付録については、「ぼくドラ」創刊号や13号のときのように、レア映像のDVDがついているともっとよかったのだが、ついていないものは仕方がない。


 内容はまだじっくりと読めていないけれど、ざっと眺めたところ、リニューアルされたアニメの紹介や、のび太の特集、ドラ以外の藤子・F作品ガイド(今回は『パーマン』『バケルくん』)、ドラグッズ情報など、種々雑多なものになっている。相変わらずグッズの情報と通販に力を入れているようだが、これは通販を利用しない読者には余分なページかもしれない。
「ぼくドラ」と同様、芸能人へのインタビューやアンケートもしっかりとあるが、こういう記事はディープな藤子ファン・ドラえもんファンのあいだでは評判があまりよろしくない。まあ、芸能人を登場させるのは、一般読者、ことに女性読者へ訴求するためだろうから、その点で有用なのだと思うし、たまには興味をひく発言に出会えるので目を通すようにしている。文筆業者の切通理作さんの文章はよかった。


 てんとう虫コミックス未収録でカラーの『ドラえもん』が2本収録されていることが、原作マンガファンには最高の目玉だろう*1。仮にこれらの未収録作品がいずれてんとう虫コミックスに収録されるとしても、そのときは本のサイズが小さくなるわけだから、A4サイズで『ドラえもん』のカラー作品(しかもてんコミ未収録作品)を読めるのはやはりありがたい。
 のび太の特集のうち、藤子・F・不二雄先生の言葉を集めた記事は、私好みだった。いくつもの資料から、藤子・F先生が自分のことをのび太だと言っているくだりを引用した〝39ページ〟は、ここだけカラーコピーして額に入れ、机の上にでも立てておきたくなるほどであった。(実行はしないけれど)
「Fの思い出」では、『あさりちゃん』の室山まゆみさんが、全1ページのマンガで藤子・F先生の思い出を描いている。私は昔、「コロコロコミック」や学年誌で『あさりちゃん』を読んでいたので、室山まゆみさんの登場は懐かしい。『あさりちゃん』はまだ連載が続いているのだから、「懐かしい」と言っては失礼にあたるかもしれない。室山さんは2人で1人のマンガ家であり、姉妹の関係にある。このコーナー、来週は高橋留美子さんが登場する。楽しみだ。


「もっとドラ」2号は、7月20日ごろ発売。

*1:●「まほうのひも」/小学二年生1973年2月号/単行本未収録 ●「ごくうリング」/小学二年生1979年3月号/藤子不二雄ランド23巻・カラーコミックス4巻収録