ブロードバンド君

 昨日6月29日(水)放送の「トリビアの泉」(フジテレビ)で、
『米国連邦通信委員会のマスコット「ブロードバンド君」はなぜか「ドラえもん」に似ている』
 という無駄知識が紹介された。
 これは、昨年9月ごろからネット上で指摘され問題視されてきた話である。


 米国連邦通信委員会とは、インターネットや電話などの通信機器にかかわる規制の策定や許認可を担当するアメリカの政府機関であり、その公式ホームページで使われているマスコットキャラクター「ブロードバンド君」がドラえもんによく似ている、というのだ。
 ブロードバンド君の姿はここで見られる。
 http://www.fcc.gov/cgb/kidszone/
 http://www.fcc.gov/cgb/kidszone/room_items.html


 番組スタッフが、米国連邦通信委員会の広報担当者に「なぜドラえもんに似ている?」と電話で尋ねていたが、答えは「ノーコメント」。
ブロードバンド君」を考案したというデザイナーに取材しようにも、現在は行方が知れないという。
 

 タモリが、「これ、問題になんないの?」と言っていたが、一応、著作権者の藤子プロはこれを問題視し、警告を発している。

ドラえもんそっくり? 米連邦通信委のHPに」
あれ、ドラえもんに耳がある? 藤子・F・不二雄さん原作の「ドラえもん」にそっくりのキャラクターが、米国の連邦通信委員会のホームページに掲載され、著作権を持つ藤子プロ側が「非常に似ている」と警告の申し入れ書を送ったことが、28日分かった。
同通信委は、通信メディア事業を監督し著作権問題も担当する政府機関。申し入れ書送付から約1カ月たっても通信委から返答はなく、キャラクターも削除されていない。
このキャラクターは、通信委の公式ホームページの子供向けコーナーに姿を見せている。名前はブロードバンド君。通信委の活動紹介やインターネットの仕組みなどを解説する案内役。本物のドラえもんはネズミにかじられて耳がないという設定だが、ブロードバンド君は耳がある。
共同通信/2004年12月28日)

 しかし、その警告も、それほど強い内容ではなかったようだ。

ただし今回は削除などは求めていない。小学館プロは「盗用でない可能性がゼロとまでは確認できず、相手が政府機関であることも配慮し、まずは注意喚起にとどめた」としている。
(産経Web/2004年12月28日)

 米国連邦通信委員会は、この程度の警告では動じることもなく、今でもブロードバンド君を使用し続けている。


 世界で人気を博す『ドラえもん』だが、アメリカでは放送も出版もされていない。アメリカ人の多くは、ドラえもんブロードバンド君の類似に気づかないかもしれないが、日本人が見れば、誰もが「そっくり」と感じるだろう。