音声のみの『のび太の恐竜』

koikesan2006-09-14

 当ブログでも紹介したように、今年3月より劇場公開された映画『のび太の恐竜2006』のDVDソフトが、来たる12月20日に発売される予定だ。レンタルについては、8月4日からスタートしている模様。



 劇場公開された映画がDVDソフトとして発売されるのは今や当たり前の流れだが、1980年に公開された映画『のび太の恐竜』の時代は、DVDはおろか、ビデオデッキすら一般家庭に普及していなかったので、劇場で観た映画ドラの映像ソフトが市販されるなんて想像もできなかった。(その数年後にようやくビデオ化されたが、価格は1万円を超えていたはずだ)
 そんな時代状況ながら、1980年の段階で映画『のび太の恐竜』のお話を家庭で鑑賞できるソフトが発売されたことはされたのだ。それが、LPレコード『長編漫画映画ドラえもん のび太の恐竜 おはなしとうた』(日本コロムビア/1800円)である。映画『のび太の恐竜』が公開されたのが3月15日、このレコードが発売されたのが3月25日頃だったはずだから、映画の公開中にこのレコードが巷に流通したことになる。劇場で味わった『のび太の恐竜』の感動を、すぐに自宅で繰り返し堪能することができたわけだ。
 もちろん、レコードなので音声のみだが、映像ソフトが発売され家で観られるなんて想像もしていなかった当時の我々にとって、音声だけでも映画を再生してくれるこのレコードはたいへんありがたいものだった。
 現在、私はレコードプレイヤーを持っておらず、このレコードを聴くことができないのだが、たしか、映画本編の音声が完全収録されているのではなく、ダイジェストで収められていたはずだ。
 このレコードには、『のび太の恐竜』のお話のほか、挿入歌として「ぼくドラえもん」「ドラえもんのうた」「ポケットの中に」が収録され、ジャケットを開くと『のび太の恐竜』のおおまかなストーリーが6ページにわたり絵本風に紹介されている。



 ビデオデッキが家にない時代、テレビで放映される藤子アニメを繰り返し鑑賞する方法は、ラジカセで音声のみを録音し再生するというものだった。テレビで1度観た番組は再放映があるまで2度と観られないのが当たり前の時代だったから、音声だけとはいえ、自由に繰り返し藤子アニメを楽しめるのが幸せでならなかった。すさまじい集中力でその音声に聴き入り、テレビで観た映像の記憶を脳裏に蘇らせていたのだ。
 あの頃は録音した音声テープをずっと保存しておこうという意識が稀薄だった。そのため今残っているものはわずかだが、今一度、その当時の音声テープを聴いてみたくなってきた。車を運転しながらでも聴いてみるかなあ。