忍者シンゾウくん

 今年8月から「忍者シンゾウくん」のパチスロ機(大一商会)が登場していたようだ。『忍者ハットリくん』という作品名・主人公名が使われるのではなく、シンゾウという脇役が前面に押し出されているところが面白い。このパチスロ機では、シンゾウが完全に主役の座に躍り出ているのだ。
 私はパチンコをやらないので「忍者シンゾウくん」のパチスロ機もやっていないのだが、これを実際にプレイした友人によると、ゲーム内容自体は昨年出た「忍者ハットリくん」のパチスロ機と同じだったそうだ。シンゾウバージョンのほかに獅子丸バージョンもあったとのこと。

「忍者シンゾウくん」のパチスロ機をプレイしていないながら、解説の冊子だけはどうにか入手した。この冊子、表紙を含めて全12ページ、オールカラーで、パチスロ機の多彩な演出について賑々しく説明している。だが、パチンコをやらない私にとっては冊子の中身がどうこうというより、表紙をシンゾウが単独で飾り、「忍者シンゾウくん」というロゴが躍っているところが重要であり、そこに心惹かれるのだ。シンゾウくんが主役を張る『忍者シンゾウくん』なる作品が、あたかもそこにあるかのような錯覚を味わえてわくわくするのである。



 シンゾウは、言うまでもなくハットリくんの弟であり、赤い忍者コスチュームを身につけ、やんちゃで泣き虫で好奇心旺盛なキャラクターである。忍者としてはまだ半人前だが、シンゾウが泣いたときのパワーは誰にも負けない破壊力を持っている。泣いているときの顔が、シンゾウのトレードマークですらあるのだ。個人的には、原作の「ぎゃわ〜ん」という泣き声がとても印象的。
 シンゾウが竹とんぼを飛ばすみたいなやり方で手裏剣を飛ばす場面(「兄上!おれが助太刀するぜ」)や、シンゾウが1人でお使いに出かける“はじめてのお使い”的エピソード(「シンゾウお使いに行く」)も心に残る。オヒメちゃんのことが大好きなところも茶目っ気があってかわいい。



 ここでシンゾウのプロフィールを記そう。
・身長…105センチ
・体重…16キロ
・年齢…5歳
・生まれた日…3月3日
 シンゾウはれっきとした男の子なのに、女の子の祭り日である3月3日生まれに設定されているところが、シンゾウの無上のかわいらしさとイメージが重なってほほえましい。日の丸のような赤いほっぺが成長するにつれて兄のハットリくんのような渦巻きに変わる、という設定も愉快だ。
 アニメでは三田ゆう子さんの声が極度に愛くるしくて魅力的だ。思わず「かわいい!」と感嘆したくなる声なのだ。シンゾウが走ったりするとき「シンシンシンシン」と声を出すのも小気味よく耳に残る。「シンシン」とは、ハットリくんの「ニンニン」という口癖のシンゾウバージョンである。
 私はシンゾウが大好きなので、シンゾウ関係のグッズをちょこちょこと集めたりもしている。

●ユラユラ首ふりマスコット(ラナ)
 ラナの首ふりマスコットは、藤子キャラだけでも多くの種類が出ている。『忍者ハットリくん』のキャラでは、ハットリくん、シンゾウ、獅子丸&影千代の3種が発売。シンゾウは思い切り泣いていて、涙パワーが炸裂しているところだ。首が揺れることもあって、「ぎゃわ〜ん」という泣き声が聞こえてきそうな臨場感をかもしている。私は、ぐっと握られて丸っこくなった手が、さりげなく気に入っている。


ガシャポンのフィギュア(エポック社
 このシンゾウも泣き顔だ。シンゾウの泣き声は、相手の鼓膜を直撃し脳波に打撃を与える超音波であり、それはひとつの忍法でもある。実は、シンゾウは泣かなくても、大きな声を出すだけで相手に強烈な衝撃を与えられる。


●20世紀漫画家コレクション6「藤子不二雄Aの世界」のフィギュア(フルタ)
 コンビニなどで売られていた食玩で、全8種+シークレット1種が存在するうちのひとつがこのシンゾウだ。シンゾウは、獅子丸・石川の五助とセットになっている。両腕を頭の後ろに持っていった仕種がお茶目。


●貯金箱
 赤い部分が半透明で、中に入れたお金が透けて見える。もっとも、お金はまったく入れてないがw 

●お面
 シンゾウグッズは皆そうだが、日の丸のようなほっぺが愛らしい。顔の横幅が若干長めか。



●空気ビニル製抱きつき人形
 こうした抱きつき人形の宿命として、プロポーションが変。腹がぼってり、腕が不自然に長く、脚のフォルムは鶏の腿肉みたいだ。顔のなかに鈴が入っていて、人形を振ると鈴が転がって音が鳴る。ちゃんと忍者刀を背負っているが、この部分に空気は入らない。


●ちび鈴ストラップ(ラナ)
 シンゾウの顔を鈴にしたストラップ。写真では、抱きつき人形の足元に置いてある。




※藤子情報
●12日(火)発売の「ビッグコミックオリジナル」1月増刊号に、藤子A先生の『愛…しりそめし頃に…』最新話が掲載されている。


NHKの番組「課外授業 ようこそ先輩」に、大山のぶ代さんが出演する。
NHK総合:16日(土)午前9:30〜10:00放送
NHK教育:17日(日)午前8:05〜8:35放送
http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/