藤子・F・不二雄大全集『スーパー=キャッティ』

 25日(金)、藤子・F・不二雄大全集第4期第9回配本『スーパー=キャッティ』(同時収録『かけろセントール』『かいじん二十面相』)が発売されました。
 
 F先生は久米みのるさんとのタッグで講談社学年誌(「たのしい○年生」)に絵物語をいくつか連載していまして、『スーパー=キャッティ』もそのうちの一つ。拾ってきた捨て猫が実は不思議な力を持っていた…というお話です。「普通の子どもと不思議なマスコット的キャラクター」という組み合わせは、『オバケのQ太郎』や『ドラえもん』など後年の藤子マンガの王道パターンを彷彿とさせるところがあります。とくにスーパー=キャッティは“不思議な猫”なのでドラえもんに通じるものを感じさせます。今回の全集の表紙イラストは新たに着彩されたものであるわけですが、ドラえもんの色を意識しているようにも見えます。



『かけろセントール』は、西部劇愛好者で自作品のなかで西部劇モチーフの話をいっぱい描いてきたF先生が手掛けた、唯一の西部劇連載作品です。連邦観察官ドイルとその助手ビリーの活躍が描かれています。セントールは、ドイルの愛馬の名前。利口で正義感が強い馬です。



『かいじん二十めんそう』は、江戸川乱歩が文章を、F先生が作画を担当した絵物語。連載の後半になると、作画がF先生からしのだひでお先生にバトンタッチされますが、この全集ではしのだ先生の担当回も含めて全話収録しています。
 この作品は以前、光文社文庫『少年探偵王 本格推理マガジン ぼくらの推理冒険物語』(2002年、鮎川哲也・監修、芦辺拓・編)に再録されたことがあったのですが、そのときは未収録の画もありまして、今回が初めての完全収録となります。