「赤塚不二夫のギャグ革命 レッツラゴン展」

 12月10日(火)から27日(金)まで江東区森下文化センターで開催中の「赤塚不二夫のギャグ革命 レッツラゴン展」、初日に行ってきました!
 まず何といっても、数ある赤塚マンガの中から『レッツラゴン』にスポットをあてているところに強く心をそそられます。


 ギャグ道を邁進してきた赤塚先生があれもこれも実践したうえで行き着いたアバンギャルド、シュールな世界が『レッツラゴン』です。赤塚先生ご自身が赤塚マンガの中で最も好きだとおっしゃっていた作品であり、赤塚先生のご長女りえ子さんや、赤塚先生の告別式で「私もあなたの数多くの作品の一つです」と弔辞を述べたタモリさんもまた『レッツラゴン』が最も好きだと語っておいでです。


 そんなふうに作者や作者近辺で格別に愛されている作品ですが、『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』『天才バカボン』などと比べるとやはり知名度が低いのは否めず、一般的にはあまり知られていない(読まれていない)との印象です。だからこそ、今回『レッツラゴン』を主役とする企画展が開催されたことに喜びと驚きを感じています。


 
 
 森下文化センターに到着して会場に入ると、ベラマッチャがお出迎えしてくれました!
「ベラマッチャ〜!!!」と挨拶したい衝動にかられます(笑)


 会場内では『レッツラゴン』の原画(註)を中心に、赤塚先生デビュー前後の貴重な資料からいろいろな赤塚作品、赤塚先生とゆかりのある漫画家の紹介、日本ギャグマンガの歴史を概観するコーナーまであって、ツボの押さえられた展示を楽しめました。会場の規模を思うと、充実度は満点です!
(註:原画だと思って観ていたものが実は複製原画だと後で教えてもらって驚きました。じつに精巧な複製原画です!)


レッツラゴン』のいくつかの話が複製原画で展示されており、「伊豆の踊子」の回もありました。この話は、赤塚先生と武居記者の2人だけによる(メモなどを取らない)制作スタイルを方向付けた記念碑的な一編です。


 会場には赤塚りえ子さんのアート作品『家訓』も展示されています。『レッツラゴン』の作中から数々の擬音文字を抜き出し立体化したもので、鑑賞者の目線によって文字の組み合わせが変わるため、鑑賞者それぞれが独自の笑い声を認識することになります。会場にりえ子さんがいらっしゃったので、ぜいたくなことに生解説を聞けました。


 
 これが『レッツラゴン展』のチラシです!
 
 このチラシ、何枚も何枚も無限連鎖していくデザインになっています。こんなデザインだと、1枚だけじゃなく複数枚持って帰りたくなるのが人情というもの(笑)


 
 会場でベラマッチャのフィギュアキーホルダーを購入!
 落書きコーナーでもベラマッチャを描いてきました(笑)

 

レッツラゴン』は復刊ドットコムから全8巻が刊行途中です。現在2巻まで発売されています。