『@ll藤子不二雄A 〜藤子不二雄Aを読む。〜』

 先月28日に発売された『@ll藤子不二雄A 〜藤子不二雄Aを読む。〜』を小学館様よりご恵贈いただきました。
 少しだけ資料協力しているので…。
 
 ・旅行中に自宅に届いていました。ありがとうございます。


 本書は、藤子不二雄A先生の長年にわたる画業をまとめた、生誕80年記念の豪華本です。内容的には作品解説が主体。藤子A先生が生み出した数多くの作品たちが、A先生ご自身の言葉を引用しながらたっぷりと解説されています。この本はお値段的にコアな藤子Aファンが買いそうなものですが、作品ガイドのわかりやすさや、「QRコードから主要な33作品3000ページ以上をスマホタブレット端末で読み放題」という企画を見ると、藤子A作品をこれからいろいろと読んでいこうという人にも親切な本だと感じます。


 そして、この『@ll藤子不二雄A』は、ワイドなサイズのカラー本とあって、ビジュアル的な魅力があふれています。ただ漫然とページをめくっているだけでも、なかなかの満足感を得られます。冒頭にピンナップがあって、片面は藤子不二雄A単行本表紙コレクション、もう片面はA先生ご本人が登場する開運ピンナップになっています。目次を挟んで巻頭に配置されているのが「藤子不二雄Aアートギャラリー」。A先生の“マンガ”ではない“絵”の作品が掲載されています。
 井上陽水さん、船越英一郎さんとの対談、Aファンの著名人からのメッセージ、A先生ご自身の特別インタビューなど、話し言葉による藤子A語りも満載。


 巻末の企画が特にすごい! テラさんから送られた手紙が克明に全文公開されています。そして一番最後に控えるコーナーが「初公開!!安孫子素雄のスケッチブック」。デビュー前後のA先生が描かれた素描・イラストが16ページにわたって公開されています。本書の中でも屈指の資料性の高さで、ビジュアルの魅力もまた高いです。


 あと、私が特に目を惹かれたのが、A先生の手の写真が実物大で掲載されているページです。先生の手相やシワまでくっきりとわかります。この手と何度も握手しているのですが、こうしてまじまじと拝見したことはないので、新鮮な感動をもって見入りました。この手から数々の面白いマンガが生み出されたのかと思うと、じつに感慨深いです。その隣のページでは、A先生の執筆道具が詳しく紹介されており、これも私のツボでした。


 1冊お贈りいただきましたが、自分でもう1冊は購入しようと思っています。

 
 ・帯を外した表紙
 
 ・裏表紙


 本書の前身『まんが道大全』が発売延期を繰り返したすえ、書名などを変えて『@ll藤子不二雄A』として刊行されることになったものの、初めに発表された発売日には発売されなかった…
 という経緯があるため、こうして無事完成したこと自体に喜びと安堵を感じます。


 最後に…
 
『@ll藤子不二雄A』を読む鈴木伸一先生です! 鈴木先生のお顔と比較しても、この本の大きさが伝わると思います。
(数日前、鈴木先生と飲みに行ったときの写真です)