今年最初のアニメ『ドラえもん』放送と、『みきおとミキオ』の「午後の初日の出」

 本日(1/9・土)、今年最初のアニメ『ドラえもん』の放送がありました。

 最近なかなかリアルタイム視聴できなかったのですが、今日は放送時間に無事観られました。

 

 今回放送された3本は、どれも原作有りでお正月のエピソードでした。

 そして、通常は2本立てのところ今回は3本立ての放送でしたから、短めの原作エピソードが選ばれています。

 

 それぞれの原作の初出を見ると、3本とも1970年代の「小学三年生」で発表されたものだとわかります。

 

・「バランス注射」(「小学三年生」1976年1月号)

・「お金なんか大きらい!」(「小学三年生」1972年1月号)

・「初日の出セット」(「小学三年生」1979年2月号)

 

 エンディングでは映画『のび太の宇宙小戦争2021』の主題歌、Official髭男dismが歌う「Universe」が流れました。

 いい詞だなあ、と感じました😊 『少年期』を意識しているような印象も受けました。

 

 さて、本日「初日の出セット」が放送されたわけですが、藤子F作品のなかで私が特に好きな初日の出エピソードが『みきおとミキオ』の「午後の初日の出」です。

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 元日の朝に早起きできなくて初日の出を見そびれてしまったけれど時差を利用してエジプトで見るというスコシフシギなアイデアや、ピラミッドの上から眺望する初日の出の美しい景色など、じつに印象深いです。

 そして、100年たっても変わらない初日の出の景色から「どれだけ時間が経過しても変わらないもの」を見る感動を授けてくれます。

 そして、さらに素晴らしいのが、

 そのどれだけ時代が過ぎても変わらない初日の出をきっかけに、「人間の歴史の長さ」や「宇宙の歴史から見たときの人間の歴史の短さ」に思いを馳せつつ、これからの歴史は自分らがこの手で作っていくんだ!と希望的な決意が表明されるところです。

「人間が築いた文明の数千年という歴史の長さ」を示した直後に「人間の歴史よりずっとずっと前から何十億年と続いている宇宙の歴史の長さ」にまで視野を広げ、目もくらむような悠久の時の流れを感じさせてくれるのです。そして、そんな途方もなく長大な時間の流れの先に現在・未来を生きる人々(つまり自分たち)がいて、このあとの歴史は自分たちが作っていくんだ!というふうに長大な歴史とちっぽけな自分(読者)とをさらっと関係づけてくれるのです。

 こんなめくるめくような時間スケールで感銘を与えてくれるシーンがわずか1ページ余りで描かれているのも驚異的です。