「待望のステーキをほおばりながらおれは……」

 「待望のステーキをほおばりながらおれは泣いた」

 藤子・F・不二雄先生の異色短編『ミノタウロスの皿』のラスト一コマで主人公の青年が発したモノローグです。

 

 青年は、イノックス星の食肉用家畜“ウス”のなかでも血統の優れた種であるミノアを好きになって彼女の命を救おうと奔走したものの、結局どうにもできませんでした。失意のなか、迎えに来たロケットに乗って地球へ帰る途中、地球の食肉用家畜“牛”のステーキを食べて涙をこぼしたのです。

 

 そんな『ミノタウロスの皿』のラスト一コマに便乗して、昨夜は『ミノタウロスの皿』の皿を使って待望の(サイコロ)ステーキをほおばりました。

 泣く……まではいきませんでしたが、泣けるほどしみじみと噛みしめて味わいました。

 命をいただいていることに改めて感謝です。