9月5日、『伏見直樹のジゴロ聖訓』([編著]名和広、[監修]根本敬、[発行]東京キララ社)という本が発売されました。
- 作者: 名和広,根本敬,東京キララ社発行
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そんな伏見さんの哲学と半生を綴った渾身の一冊が『伏見直樹のジゴロ聖訓』です。
私は伏見さんと以前お会いしたことがありまして、そのときのことをブログでレポしたこともあります。
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20080219
編著者の名和広さんは、拙編著『藤子不二雄AファンはここにいるBook1[座談会編]』に参加してもらったご縁のあるライターさんで、藤子作品にも造詣の深い人物です。彼の前著『赤塚不二夫大先生を読む』では藤子不二雄A先生のインタビューも行なっています。
監修者は、強烈な作品を数々発表してカルト的な人気を誇る特殊漫画家・根本敬さんです。表紙のイラストも根本さんが描いています。
本書は二章立て。
第一章は「ジゴロ聖訓」です。芸術、教養、品格、夢、いじめ、自由、ハングリー精神、鬱、政治、宗教、神などなど、さまざまな項目に対して伏見流の哲学が熱烈かつ真摯に語られています。伏見さんの濃厚な体験に裏打ちされた、人生への洞察、社会への見識が、閉塞した不透明な時代に風穴を開けるパワーをみなぎらせています。
たとえば伏見さんは「品格」について、「お金をかけずに得られる最高のステイタス」と唱えています。この一文だけで格言のように心に刻まれます。その一方で、「品格だけしかなかったら、ただのお坊ちゃん、お嬢ちゃんだ。大切なのはハングリー精神を持った上で、品格を高めること」とも訴えています。そこに伏見さんのバランス感覚を見る気がします。
第二章は「夜の聖書」。伏見さんの少年期から現在に至るまでの、熱く濃く激しく愛に満ちた半生記です。
これを読んでまず感じるのは、人と人との出会い、縁の大切さです。伏見さんがいかにさまざまな出会いによってチャンスを得、人生を開拓し、新たなステージへと進んできたのか、ということが随所から伝わってきます。そして、出会った人たちのことを想う伏見さんの気持ちの深さも、読む者の胸に届きます。
そういう素晴らしい縁を引き寄せるのもまた、伏見さんが持つ類稀なる人間力なのだと思います。
伏見直樹さんと名和広さんからサインをいただきました!
本書を読んで、伏見さんと名和さんは深い絆で結ばれているなあ、と強く感じました。
伏見さんは「名和さんになら、自分の本を全て任せられる」と全幅の信頼を置いているようですし、名和さんは伏見さんを心底尊敬し、伏見さんの全てを知り抜こうとしているように見えます。心からつながった師弟関係です。
いろいろと述べてきましたが、今のような先行き不透明で希望が持ちにくい時代だからこそ、本書は切実に必要とされて世に登場したのではないか。そんなふうに思えるパワフルな一冊です。
●ドラえもん関連雑誌記事情報
・「プレイボーイ」9月17日号(38号、集英社)が、12ページにわたるドラえもん特集「祝生誕100年前メモリアル!!ぼくらのドラえもんFESTA」を組んでいます。芝山努監督とむぎわらしんたろうさんの対談も読めます。
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