きのう(4月1日)は四月バカ(エイプリルフール)でしたが、『ジャングル黒べえ』の主人公・黒べえの誕生日でもありました。
「タイガーからのプレゼント」(初出「小学二年生」1973年10月号)という話のなかで、黒べえ自身が「黒べえの誕生日は四月一日。」と明言しています。
つまり、黒べえはまさに四月バカの当日に生まれたわけです。
四月バカは、嘘をついてもよい日とされています。もちろん、その嘘は、罪のない、軽い、楽しいものでなければなりません。相手をおとしいれる噓、ダメージを与える嘘、シャレにならない嘘はいけません。
そういうマナーをわきまえたうえで嘘をついてもよい日に、黒べえは生まれたのです。
ところが、黒べえは大の嘘嫌いなんですよね。嘘つきと思われることも非常に嫌います。
たとえば、「魔法で雨降らす」(「小学二年生」1973年3月号)のなかで、自分の言ったことを疑われた黒べえはただちに「黒べえうそつかないっ。」と怒りました。それは、自分は絶対に嘘はつかないという宣言でもありました。
そんな性格の黒べえですから、四月バカという風習も認めません。
「二本足のゾウ」(「小学五年生」1973年4月号)という話があります。4月1日の出来事を描いた話です。この話のなかで“四月バカ”という言葉を初めて聞いた黒べえは「バカとはなんだ!」と激怒。四月バカとは嘘をついてもいい日だと教えられても「うそ悪い!これジャングルの常識。」「よくないことおこる、かならず!」と本気で怒ったのです。
それほどまでにガチンコで誰よりも嘘を嫌う黒べえが、一年のなかで最も嘘をついてもよい日とされる4月1日に生まれたというのは、なんだか少し皮肉めいていて面白いなと思うのです。
そんなまっすぐすぎるほど愚直に正直なところが黒べえの魅力なのです。
一日遅れてしまいましたが、黒べえ誕生日おめでとう!ウラ~!!